人生最後の愛犬との別れ…一喜一憂しながら共に過ごした日々に「毎日を大事にしないと」【漫画】

人生最後の愛犬との別れ…一喜一憂しながら共に過ごした日々に「毎日を大事にしないと」【漫画】

『ワタシの人生にとうとう犬がいなくなってしまった』より
『ワタシの人生にとうとう犬がいなくなってしまった』より / 画像提供/真希ナルセ

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、漫画『ワタシの人生にとうとう犬がいなくなってしまった』を紹介する。作者の真希ナルセさんが、9月1日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、4.4万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、真希ナルセさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

■今は亡き愛犬に捧げる漫画
『ワタシの人生にとうとう犬がいなくなってしまった』より
『ワタシの人生にとうとう犬がいなくなってしまった』より / 画像提供/真希ナルセ


亡くなった愛犬・銀次郎の介護期につきっきりだった真希ナルセさんは、もう1匹の愛犬・グミを他の人に任せていた。しかし、あまり触れ合えずにいた期間にグミは認知症を患い、昔のグミとは変わってしまう。人も犬も苦手だったがそんなようすはなくなり、さらに真希ナルセさんたちを認知することもなくなってしまった。

目が合わず、尻尾を振って駆け寄ってくることも、大好きな芝生の上で転がることもなくなったグミ。甘えん坊で分離不安、家族が大好きだったグミの変化を感じながら、真希ナルセさんたちは世話をしていた。その後、何度も生死を彷徨っては復活してを繰り返すうちにグミは旅立ち、真希ナルセさんは自分たちにとって犬とは何かを振り返る…。

この愛犬たちへ捧げる漫画を読んだ人たちからは、「涙が止まらない」「昔飼ってた犬のこと思い出した」「やっぱりお別れは悲しい」「毎日を大事にしないと」など、多くのコメントが寄せられている。

■「皆さんの愛した家族を想う触媒になれれば」作者・真希ナルセさんに漫画創作へのこだわりをインタビュー
『ワタシの人生にとうとう犬がいなくなってしまった』より
『ワタシの人生にとうとう犬がいなくなってしまった』より / 画像提供/真希ナルセ


――本作で描かれたグミや銀次郎たちは、非常に愛らしく印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

犬のキャラクターはデフォルメを施して描いていますが、自分なりの犬としての見せ方のルールを破らないようにしています。骨格を基本的に変えない、犬種を判別できるようにする、個体の性格を忠実に反映させる、などです。また自分たちで発表している作品に関しては、犬がまるで喋っているようなオノマトペを手書きで書いています。ご依頼のお仕事の時にはこのような犬の感情を言葉では説明していません。自分では「この子はこう思ってると飼い主さんが考えている」という表現のつもりです。「かわいい」と「リアル」の中間を目指すことで、犬と過ごしてきた読者の方がご自分の愛犬に重ねやすくなり、皆さんの愛した家族を想う触媒になれれば良いなと思っています。

――特に印象に残っているグミや銀次郎との思い出をお教えください。

たくさんあるのでこれが1番と決めかねるのですが…柴犬の銀次郎はとにかく長い時間、常に一緒に過ごしていました。彼を思い出すのは特に「散歩」の時間です。これは自分と向き合う時間でもありました。私はあまり表に出たがらない人間なのですが、彼のおかげで春夏秋冬、朝晩、必ず外に出て、季節の移り変わりを感じ取ることができました。花鳥風月、あらゆるものに想いを寄せる時間を共に過ごしました。私の思い描く季節の風景には必ず彼、銀次郎がいます。ミニチュアダックスのグミは幼い頃に「てんかん」を発症し、体の硬直から椎間板ヘルニアにもなりました。また重度の分離不安も抱えており、留守番などで不安になると発作が出るので、独りにさせられません。彼との思い出は常に病との戦いです。そう言うとネガティブなイメージになりがちですが、障がいがあったからこそ私と仲間たちは考え工夫し、獣医さんと相談し、結論として「私たちが暗くなっていたら、グミも不安になって発作が増える」「だから大きな気持ちで明るく毎日を過ごそう」という結論になりました。それからは、少しでも前向きに彼と向き合ってきました。彼との時間をとても大切に過ごしました。どんな些細なことでも何倍もの喜びに感じましたし、宝物のような存在でした。そして私たちを強くし、成長させてくれたのだと思っています。

――作中で「そこからはまるで羽が生えたようだった」と綴られておりましたが、散歩をしている時のグミは楽しそうなようすだったのでしょうか?

老犬をお世話されている方なら経験があるかと思いますが、意思疎通ができなくなったからといって感情が消え失せた訳ではありませんでした。若い頃のグミは散歩をしても周囲に過敏で、匂いを嗅いだり、人や犬に吠えたりと、思うように歩みを進められませんでした。病気のこともあり、あまり興奮させてはいけなかったので、銀次郎と違って若い頃のグミの散歩は、彼自身も周囲の私たちも、とても神経を使うものだったのです。それが晩年目が見えにくくなり、鼻も効かなくなり、認知症を発症して、皮肉なことにストレス無くただ歩くことに専念できるようになったのです。
でも、さらに年老いて彼の足が動かなくなるまで、それほど時間は掛かりませんでした。そこからはほとんど寝たきりでした。あの短い期間、初めて彼と遠くまで散歩できたことは大きな驚きでした。まだこんなにスタミナがあるんだ!腰が悪かったはずなのに歩きたかったんだな…。かつて車で連れてきたこんな遠くまで自分の脚で来ることができた…!どんどん歩く姿は自由で、とても嬉しそうで、私はギフトのように感じていました。彼の一生の中でその短い期間が、1番たくさん歩いたと思います。

――今後の展望や目標をお教えください。

グミと銀次郎、そして残った猫たちを色々な形で描き続けられたらいいなと思っています。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

これからもイラストや漫画を描いていくと思いますので、また見て読んでいただけたら嬉しいです。私たちは直接お会いしてお話できる機会を色々設けている漫画家なので、その時を楽しみにしております。皆さんの大切な存在との時間、思い出を重ねてもらえるような作品を描いていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。

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