
ローマを流れるテヴェレ川には、いくつかの橋が架かっています。
サンタンジェロ城につながるサンタンジェロ橋が有名ですが、それよりも少し上流に、ミルヴィオ橋があります。古代から残るフラミニア街道と直結する橋で、コンスタンティヌス帝とマクセンシムス帝が戦った場所として知られています。
ミルヴィオ橋は歴史的なエピソードのほかに、恋人たちの聖地としても有名。2007年に上映されたイタリア映画『ホ・ボッリャ・ディ・テ』のワンシーンを模倣するように、この橋の欄干に南京錠をかけて愛を誓うカップルが激増したのです。
南京錠の数が多くなりすぎて街灯が倒れるなどの被害があったため、ローマ市は欄干を整備して、少しでも多くの南京錠が安全にかけられるようにしました。この風習は、ロミオとジュリエットの聖地ヴェローナをはじめ、イタリア全土に広がりを見せるほど流行しました。
日曜日の夜、散策がてらミルヴィオ橋を訪れると、南京錠をかけている恋人たちの姿がちらほら。周辺にはアペルティフができるお店も多く、秋の夜長を楽しんでいました。


