
ソン・ジュンギとチョン・ウヒがW主演する韓国ドラマ「マイ・ユース(My Youth)」(FODにて韓国の放送と同タイミングで独占配信中。毎週金曜に2話ずつ追加/全12話)の第3話と第4話が、9月12日に配信され、ヘ(ソン・ジュンギ)とジェヨン(チョン・ウヒ)の距離がさらに縮まっていく様子が描かれた。また、ヘの母親の死についても描かれ、あまりにもつらい事実が明かされた(以下、ネタバレを含みます)。
■初恋同士の2人の恋が15年ぶりに動き出すロマンチックストーリー
本作は、15年ぶりに再会した初恋の相手同士だった男女が、それぞれ異なる世界で人生を歩む中で互いの立場の違いに戸惑い葛藤しながらも、過去の記憶と向き合い、新たな愛を築いていく姿を描くロマンチックストーリー。
■撮影中に、過去のつらい思い出がフラッシュバックしたヘ
バス停でお互いの素直な胸の内を話したヘとジェヨンは、再会後からのギクシャクした関係からすっかり高校時代の気の置けない間柄に戻った。ヘが出演することにした番組の話をしにフラワーショップへやって来たジェヨンは、2人の関係について、“高校の同級生”とだけ言うことにしようと提案。すると、ヘは「キスした仲だって言おうか?」としれっと言い、彼女は「厳密に言えば違う!」と大慌てで、「言ったら許さないからね!」とゲンコツを振り上げた。ジェヨンは、とにかく周りを刺激しないように上手くやろう、と懇願して帰っていった。彼は、去っていく彼女を眺めながら「気ままに来て、気ままに帰る…自己チューな女…」とつまらなそうにつぶやいた。
番組の撮影が始まった。始めは自然に振舞っていたヘだったが、無遠慮に近づいてくるカメラに母の葬儀の時の記憶がフラッシュバックしてしまった…。母は彼が13歳の時に詐欺に遭い、悲観して自殺。突然の不幸に打ちひしがれる有名子役の姿を撮ろうと、葬儀場にマスコミが押しかけカメラを向けた。そして、哀しみを耐えている13歳の少年を見て「どうする?全然泣かないんだけど」「使える映像が撮れない」などとデリカシーの無い言葉を次々に吐き出した。そこに大勢の借金取りが押しかけ、彼に掴みかかって口々に「カネを返してから死ね」などと罵倒。その瞬間、一斉にフラッシュが焚かれたのだ。

■母の自殺は、自分のせい…
母が亡くなったのは、自分のせい…。彼は、そう思っていた。田舎町でスカウトされ、あっと言う間に大人気子役になり、母は仕事も辞めてステージママと化した。ソウルに引っ越して、ヘの稼ぎを頼りに贅沢三昧…。が、子役の運命だが、成長するにつれ仕事が激減。焦った母は売り込みを続けるうち大作映画を撮ると言う監督と知り合うが、それが詐欺だった。投資金を持ち逃げされ、残ったのは数億ウォンもの借金…。母は壊れ始め、彼を怒鳴ったり手を上げたりするように…。そして、自殺した。このことがきっかけで、彼は芸能界を去ったのだった。
そのことを思い出し、よろよろと立ち上がって自分に向けられるたくさんの目に茫然自失となったヘ。だが、彼の様子がおかしいことに気付いたのは、ジェヨンだけだった。心配している彼女に彼は「大丈夫」と口を動かし、撮影を続けた。
撮影後、ジェヨンは彼に「パニック発作が起きたのでは?」と尋ねたが、彼は「久々のカメラに緊張しただけ」とごまかした。だが、彼が今まで出演オファーを断ってきたことと関係があると思ったジェヨンは、今回、出演を決めた理由を尋ねたが、彼はそれには答えなかった。その理由は、このオファーを請ければ、撮影期間はジェヨンに会えるからだった。


■蒸し返された母の事件…
そんな中、番組が制作される記事が出て、そこにヘの当時の事件を報道するニュース映像と葬儀場での様子が貼られるという事態が。もう本当に“マスゴミ”すぎる…。大衆は改めて思い出すことになり、当事者のヘもまた当時の記憶が鮮明に蘇ってしまったのだった。当時を追体験しているかのような気持ちになり、苦しくて耐えられなくなった瞬間、誰かに突然後ろから抱きしめられた。ジェヨンだった。事態を知り、一目散に彼の元へやって来たのだ。彼女は、昔の映像が出たことに気付けなかったことを何度も詫び、「私が元に戻すから」と言って帰ろうとした。
ヘは、帰ろうとする彼女の手を「行くな」と掴み、そして言った。「ただもう1度抱きしめてくれないか」。彼女は、彼の傷を癒すかのように、彼が壊れてしまわないように優しく抱きしめた。彼は「待ってた気がする…これを」と、彼女に身をゆだねた。ジェヨンの優しさが彼の中に流れ込んでくる…。高校時代も闇の中に居た彼を救ったのはジェヨンの存在だった。ヘにとって、ジェヨンは今も昔も大切な存在なのだ。
過去の動画は削除されたが、自分の出世欲でヘを巻き込んで再びつらい思いをさせてしまったことにジェヨンは罪悪感を感じ、せっかく距離が縮まったのに、またぎこちなく接するようになってしまった。そんな彼女の様子に気付いていたヘは、「罪悪感は捨てて。必要ない」と、彼女の心の負担を軽くしようと告げるのだった。
■1つのベッドで寝ることになった2人
離島での撮影中、畑の持ち主が「植樹は許可したが。撮影するとは聞いてない!」と怒鳴りこんできて、撮影は中止に。だが、ヘは用意した苗木がダメになるのはもったいない、と1人残って作業をして行くことにした。撮影隊は去り、後処理で残っていたジェヨンが船に乗ろうとしたところ、悪天候で欠航に。しかたないので、ヘの植樹を手伝うことにした。急遽、宿を探したが、どこも満室。空いていたのは一部屋だけだった。
ジャンケンで負けたジェヨンが車で寝ることになったが、ヘが「一緒に寝ようか?手を繋ぐだけ」と提案。彼女はうっかり「うん…」と答えてしまい、すぐに我に返って「寝ないよ!まさか!」と大慌てで断った。が、結局1つのベッドで寝ることに…。距離を取って寝転がった2人だが、当然落ち着かない。「ヘンなこと考えてないよね?」などと余計なことを言う彼女に、「考えてほしいのか?」と返すヘ。「もういい」と背中を向けたジェヨンに、「あの頃のキミは、すごくキラキラしてた」と思い出話を始めたヘだったが、彼女は寝たフリをした。彼が話すのを諦めて寝た後、「過去形なんだ…今は違うんだ…」とジェヨンはガッカリしながらつぶやくのだった。そして翌朝。先に目が覚めた彼女は、ヘに抱きついて寝ていたことに気付き、思わず彼をベッドの下に蹴落とした。

■「イヤなら避けて」「イヤじゃなかったら…?」
天気も晴れ、2人は仲良く植樹作業。ジェヨンは、改めて今回オファーを請けた理由をヘに尋ねた。「別れた友だちへ送る気持ち」と答えた彼に、彼女は戸惑い「何ともけなげだね…」と返すのが精一杯だった。キラキラした笑顔の彼女を見つめていた彼は、いきなりキスしようと顔を近づけた。突然のことに「唇が付いちゃう」とのけぞるジェヨン。それでもどんどん顔を近づけてくる彼に「付いた!付いた!」とさらに彼女はのけぞる。「騒がしいな。取って食わないよ」と、唇ギリギリまで近づいた彼は、寸止めして「イヤなら避けて」と言った。「イヤじゃなかったら?」…ジェヨンが問い返す。「何よりだ」。そして2人は熱く長いキスをした。15年ぶりのキス。あの時のような怒りにまかせた一方的なものではなく、2人の想いが通じ合ったキス。これが、彼らにとっての“ファーストキス”だ。
抒情的な雰囲気、静かに時間が流れる感じ、キュン度を盛り上げるOST、2人のアップからどんどん引きの画になるカメラワーク…全てがときめかせる。ストップモーションのエンディングは、美しい絵画のようだった。
視聴者も、このシーンが特に刺さりまくったようで「何度でも見返したい」「今までいろんなキスシーンを見てきたけど、これは上位にランクイン」「ソン・ジュンギの破壊力!」と、萌えコメントがSNSに大量にポストされた。
◆文=鳥居美保


