
テレビ大好きイラストレーター・渡辺裕子さんが、お気に入りの番組をかわいいイラストで紹介する連載「いつもテレビをみています」。第40回は「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)をチョイス。
■『イッテQ』初心者の私も前から知っているかのように笑ってしまう
『世界の果てまでイッテQ』といえば、2007年から放送している長寿番組、とても有名な人気バラエティ……なのですが、実は私、これまでに見たことがほとんどなかったんです。 けれど最近、ふとTVerで見てみたら……すごくおもしろいですね! 今頃何を言ってるんだ、とファンのみなさんに呆れられそうですが。
長く続いている番組って、新参者だと話についていけないかもとか、急に見てもおもしろさがわからないかもと、見ることをあきらめてることってないですか?だけど『イッテQ』は、おずおずとやってきた初心者の私も、前から知っているかのように、ゲラゲラ笑ってしまう。
特に先日の、出川哲朗さんと堀田茜さんのイタリア珍道中がすごく楽しかったです。 イタリアだから、どこを映しても本当に美しい景色で、「きれいですね」「イタリア料理おいしいですね」などと言っているうちに素敵な紀行番組が一本できそうなのに、この番組はそうはいかない。
出川さんが行きたがったピザのマルガリータ発祥の店。行き方を通りすがりの現地の人にカタコトの英語で尋ねるけれど、使う単語が間違っているから、違う店を教えられ、そして何度聞き返しても出川さんは店名を覚えられない。 ここにもどうしても行きたいと出川さんが言う「青の洞窟」は、波が高くて行くことができない。 ホテルを予約せずに現地で部屋を探すけれど、びっくりするくらい高い部屋しかなく、決められた予算内で旅をしないといけないふたりは、ヘトヘトで探し回る。
■笑いながらどんな「初めまして」の人も受け入れてくれそう
この番組初心者の私は、最初のうちは旅の無計画さにちょっとびっくりしながら見ていたのですが、言葉がわからないはずの出川さんが周りの人にどんどん話しかけ、話が通じたり通じなかったりしながらも「僕のやりたいこと」へまっしぐらに進んでいく姿を見て、なんだかスッキリと気持ちよくなってしまいました。 持ち前の明るさと人懐っこさで相手の懐に飛び込み、予定通りではないけれども、現地の人おすすめのお店でおいしいごはんを食べることができたり、歩き回った末に手頃な値段の(それでもかなり高級なのですが)見晴らしがいいホテルを見つけたり。
笑顔で「やってみたい」を追いかけて思いがけない結果を出していく出川さん、かっこいい。 他メンバーの旅もどれも無茶っぽいけど、『イッテQ』初心者としてハラハラしながら追いかけていきたいです。きっとあの人たちは笑いながらどんな「初めまして」の人も受け入れてくれそう。
■イラスト・文/渡辺裕子

