炎症性乳がんとは?Medical DOC監修医が炎症性乳がんの症状・原因・生存率・治療法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
山田 美紀(医師)
慶應義塾大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、総合病院や大学病院にて形成外科、外科、乳腺外科の研鑽を積んできた。医学博士。日本外科学会 外科専門医、日本乳癌学会 乳腺認定医、検診マンモグラフィー読影認定医(A判定)の資格を有する。
「炎症性乳がん」とは?
炎症性乳がんとは、乳房の表面に急速に悪化する赤み、腫れや熱感などの症状が現れる特殊な乳がんです。乳がんのうち約0.5%〜2%であり、稀なタイプのがんです。一般的な乳がんのように硬いしこりを触れることが少なく、皮膚の毛穴が目立つようになり凸凹することもあります。進行が早いため、早期の発見と治療がとても重要です。
炎症性乳がんの代表的な症状
炎症性乳がんによくある症状についてご紹介します。
乳房の赤み
乳房の皮膚の広範囲から全体にわたって、急激に赤く変化します。しこりとして触れることは少ないです。細菌による急性乳腺炎でも同じような症状が現れますが、乳房に徐々に悪化する赤みが出た場合は、炎症性乳がんの可能性も否定できないため、早めに乳腺科を受診することをおすすめします。緊急性が高いため、「そのうち治るだろう」と放置しないことが大切です。
乳房の左右差
乳房全体がむくんで大きくなることがあります。左右で乳房のサイズに差が出ることで変化に気がつくことがあります。今までになかった乳房の左右差が出てきた場合は、早期に乳腺科を受診しましょう。
オレンジの皮のような凸凹の皮膚になる
乳房の皮膚が硬く、分厚くなり、毛穴の部分の凹みが目立つことがあります。その状態を「オレンジの皮のような皮膚(peau d’orange)」と表現します。これは、皮膚のリンパ管ががん細胞で詰まり、リンパが鬱滞することで起こります。この症状は進行した炎症性乳がんの典型的なサインの一つであるため、気が付いたら直ちに専門医を受診してください。

