期間・費用は? 寿命は? セラミックで気になるそのほかのQ&A
編集部
差し歯・銀歯をセラミックに替える場合、治療期間はどのくらいかかりますか?
櫻木先生
治療する歯の本数やお口の状態によりますが、スムーズに進めば2回の通院、期間にして1〜2週間ほどで完了します。1回目に古い被せ物を外して型を取り、仮歯を装着します。そして次に来院してもらった際に、完成したセラミックの歯を装着する流れです。ただし、ブリッジや前歯など見た目が重要な部位では、仮歯を一定期間使って仕上がりを確認するケースもあります。その場合は1カ月ほどかかることもありますし、根の治療が必要な場合はもう少し長くなることもあります。
編集部
セラミック治療にかかる費用(1本あたり)の目安を教えてください。
櫻木先生
セラミック治療は自由診療のため、歯科医院によって費用設定は異なります。一般的な相場としては、詰め物(インレー)で1本5~10万円程度、歯全体を覆う被せ物(クラウン)であれば1本8~20万円程度が目安です。使用するセラミックの種類(オールセラミック・ジルコニアなど)によっても費用は変わってきますので、治療を始める前にしっかりと確認しておきましょう。
編集部
セラミックはどのぐらい長持ちしますか? 銀歯と比較して寿命は変わるのでしょうか?
櫻木先生
よく聞かれる質問ですが、正直なところ「何年持ちます」という明確な答えはありません。「セラミックだから・銀歯だから何年持つ」という話ではなく、いずれも入れた後のケアが寿命を大きく左右します。これは、新築のお家がお手入れ次第で5年後、10年後の状態が変わるのと同じです。セラミックという素材自体は半永久的に劣化しないため、きちんとケアを続けていれば30年、40年と長く使い続けることも期待できます。
編集部
素材に関係なく「継続してケアをおこなうこと」が重要なのですね。そのほかにセラミックを長持ちさせるために必要なケアはありますか?
櫻木先生
家庭での日々のケアにくわえ、歯科医院での定期メンテナンスが非常に重要です。専門的なクリーニングや噛み合わせのチェックを定期的に受けることで問題を早期に発見でき、セラミックを長く快適に使い続けることができます。くわえて、歯ぎしり・食いしばりのある人は過度な力がかかりやすいため、ナイトガード(マウスピース)の使用をおすすめしています。
編集部
最後に、読者へメッセージをお願いします。
櫻木先生
「歯」もご自身の体の大切な一部なので、どんな素材で、どんな治療を受けるのかを納得して選ぶことが非常に重要です。その上でしっかりとメンテナンスを続けていくことが、生涯にわたりご自身の歯で美味しく食事ができるカギとなります。ぜひ長期的な視点で、自分にとって最適な素材や治療法を選んでいきましょう。
編集部まとめ
セラミックは単に見た目を美しくするだけでなく、適合がよくてお手入れがしやすく、将来的にむし歯・歯周病のリスクを軽減できる素材であることがわかりました。一方で、「割れやすい」「費用が高い」などのデメリットもあるため、様々な選択肢から自分に合った治療法を歯科医師とよく相談し、納得して選ぶことが大切です。本記事を参考に、信頼できる歯科医院で自身に最適な方法は何かを相談してみましょう。

