パート主婦のユリは、潔癖症の夫・ケンと中学生の息子・レン、そして厄介な義母と同居しています。ある朝ユリは、マヨネーズを直に舐める義母の姿を目撃。
ケンの指示でユリが調味料を処分すると、義母は「昔から舐めていた」と暴露し、「家族だからいい」と開き直ります。さらに、「私はキレイだから」と暴論を吐き、すすぎ中の洗濯機に汚れた下着を放り込みます。
話し合いの場を設けるも義母は逆ギレや嘘で誤魔化すのみ。ケンの提案で、食事を別にする生活がスタート。その夜、暗闇でカップ麺をすする義母の、かわいそうアピールに心揺らぐユリでしたが、ケンに「良心につけ込む手口だ」と諭され、毅然とした態度で接することを決意します。
しかし翌朝、義母はご近所さんに「嫁にいじめられて食事が喉を通らない」と嘘を吹聴していたことを聞かされます。それをユリが問い詰めると、今度は窓から「助けてー!」と絶叫する暴挙に出て……?
暴走する義母のかまってちゃん
「あぁー!! ひどいひどい!! 家の中でも外でも嫁にいじめられて」
そう言いながら、お義母さんは突然、窓を全開にして「誰かー助けてー!!」と外に向かって絶叫し……。













「あーーー!お腹が空き過ぎてクラクラするわ! ほんとにもぅ!!」
週末の朝、静寂を切り裂くような義母の怒号が響き渡りました。
窓からの絶叫事件を受け、ケンさんは「反応したらエスカレートするだけだ」と、義母への完全無視を徹底することを提案。家族3人は、義母が大声を出しても顔を見合わせ、スルーを決め込みます。
無視された義母の行動は、さらにエスカレート……。
「テレビがつかない! 誰が壊した! 私に見せないように細工したのか!」とリモコンをバンバン叩いたり、何もない廊下で「危ない! つまずくとこだったわ! 私を転ばせてケガさせる気か!」と大騒ぎしたりと、音と声で必死に関心を引こうとします。
「ここまで振り切ってくれると、もう罪悪感はないね。むしろ、次はどんな手で来るのかなって、ちょっと面白くなってきちゃった」
義母のあまりの暴走ぶりと、冷静に対応するケンさんのおかげで、ユリさんの心からは完全に迷いが消えていました。
しかし翌日、ユリさんが廊下に出ると、トイレの前で壁にもたれかかり、ぐったりと座り込んでいる義母の姿が……。
「え? 嘘じゃないの? 本当に倒れてる!?」と、動揺を隠せないユリさんなのでした。
◇ ◇ ◇
朝から晩まで「お腹すいた」「テレビがつかない」「転びそうになった」と、まるで子どものようなアピール。無視されると余計に大きな音を立てたり騒いだりして関心を引こうとする姿は、まさに「かまってちゃん」の暴走ですね。
これらにいちいち反応して疲弊するよりも、ユリさんたちのように「元気な証拠だ」「次はどんな手で来るか」と、一歩引いて観察するくらいのメンタルでいることが、心の平穏を保つ秘訣なのかもしれません。理不尽な攻撃に対しては、まともに受け止めず「また始まったな」と客観視して、自分の感情を守るスキルを身につけたいですね。
次の話を読む →著者:マンガ家・イラストレーター 小出ちゃこ 著者:原作者 福子

