男性更年期障害は、加齢やストレス、環境要因などによって、男性ホルモンの「テストステロン」が低下することで発症します。また、性格や生活環境も発症リスクに大きく影響するようです。本記事では専門家の堀江重郎先生に取材し、男性更年期障害を悪化させる要因について解説します。

監修医師:
堀江 重郎(順天堂大学医学部泌尿器科学講座主任教授)
順天堂大学医学部泌尿器科学講座主任教授。日米で医師免許を取得。腎臓学、腫瘍学、分子生物学、男性医学を学ぶ。男性更年期障害の診断・治療、テストステロンの生理作用、老化と腸内細菌の関係など広い研究分野で数々の学術賞を受賞。日本抗加齢医学会理事、日本メンズヘルス医学会理事長。著書や講演を通じて一般への啓発活動にも尽力し、男性の健康寿命を支える。
編集部
環境の変化は、男性更年期障害のリスクになりますか?
堀江先生
環境の変化がテストステロンの低下を引き起こす場合もあります。転職や退職、引っ越しなど、慣れない環境に置かれるとストレスが増加し、ホルモンバランスが乱れる原因となります。特に、社会的なつながりを持たない場合、孤立感がストレスを増幅させるため注意が必要です。
編集部
どのように対策すればいいですか?
堀江先生
ストレスマネジメントが重要です。小さな成功体験を積み重ねたり、リラックスできる趣味を持ったりすることで、交感神経の緊張を和らげることが期待できます。また、運動や社会的なつながりを持つことも有効です。特に、自分を評価してくれる環境を作ることが鍵となります。
編集部
男性更年期障害の予防に役立つ社会的なつながりとは、どのようなものでしょうか?
堀江先生
男性更年期障害の予防において、社会的なつながりは非常に重要な役割があります。他者との交流や共同作業を通じて、自己肯定感や満足感を得ることがテストステロンの分泌を促進するためです。例えば、地域の趣味サークルやボランティア活動、スポーツチームへの参加が効果的です。また、家族や友人との定期的なコミュニケーションもストレスの軽減や孤立感の緩和につながります。
※この記事はメディカルドックにて<「男性更年期障害」になりやすい性格はご存じですか? 予防する食べ物やリスクとなる行動も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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