理由(3) その場の感情に任せて強く叱りすぎてしまったから
子どもの態度や生活習慣にイライラが募り、普段より強い口調になってしまう――。
これは多くの保護者にとって“身に覚えのある”瞬間ではないでしょうか。保護者の声には、その場の感情に任せて叱りすぎてしまったという後悔がたくさん寄せられました。
叱りすぎてしまう背景には、「もっとできるはず」「努力してほしい」といった期待、そして「このままだとマズい」という不安があります。しかし、強い叱責を繰り返してしまうと、親子のあいだに溝ができてしまい、子どもが心を閉ざしてしまう原因にもなりかねません。
叱りすぎてしまうという声から読み取れるのは、保護者自身が強く後悔し、改善したいと願っている姿でした。
‐ 「普段宿題もやらずに遊んでばかりいたので、勉強はやったのか、早くやりなさいと強制してしまった。」(茨城県・中学2年生保護者)
‐ 「本人が宿題をせずに長時間遊んでいるのを見てキツく叱り飛ばす時。怒鳴ってしまったとあとで反省した。」(大阪府・中学1年生保護者)
理由(4) 自分の価値観や理想を子どもに押し付けてしまったから
子どもの進路や勉強方法について、「こうすべき」という保護者の価値観が前に出てしまう瞬間があります。特に教育については、保護者自身が育ってきた環境や成功体験が反映されやすく、知らず知らずのうちに押し付けになってしまうことがあります。
保護者の価値観は決して悪いものではありません。しかし、それを“絶対的な基準”としてしまうと、子どもの主体性を奪うことにもなりかねません。
自分の価値観を押しつけることが「教育虐待では」と感じた声に共通するのは、「自分が子どものためと思ってやったことが、実は“保護者側の都合”だったのでは」と気づけていたことです。
‐ 「自分の思いや考えを子どもに思い通りにさせようとしていること。 」(京都府・小学6年生保護者)
‐ 「子どものためにと思い、勉強面や生活面で指示を出してしまい、思い通りにさせてしまったと思ったことがあります。」(奈良県・中学2年生保護者)
