シェーグレン症候群と生活の質
シェーグレン症候群は、日常生活にさまざまな影響を及ぼします。乾燥症状そのものが不快であるだけでなく、食事や会話、睡眠、仕事、趣味など、多くの場面で支障が出ることがあります。生活の質を保つためには、症状への対処と心身のケアが重要です。
乾燥症状への対処としては、こまめな水分補給や保湿ケア、適切な点眼や口腔ケアが基本です。加湿器の使用や、直接風が当たらない環境の整備も効果的です。食事面では、水分の多い料理や柔らかい食材を選び、刺激の強い食品を避けることで、口腔内の不快感を軽減できます。味覚の変化や嚥下困難がある場合には、栄養士や歯科医師と相談し、工夫を重ねることが大切です。
精神的サポートの重要性
慢性疾患を抱えることは、精神的な負担も伴います。シェーグレン症候群は見た目には分かりにくい病気であり、周囲の理解を得にくいことも少なくありません。症状の辛さを訴えても、「疲れているだけ」「気のせい」と片付けられることもあり、孤立感を深める要因となります。
精神的なサポートを得るためには、家族や友人に病気について正しく理解してもらうことが第一歩です。患者会や難病相談支援センターを利用し、同じ悩みを持つ方々と交流することも有効です。必要に応じて、心療内科内科や精神科内科の受診も検討しましょう。抑うつや不安が強い場合には、専門的なカウンセリングや薬物療法が症状の改善に役立つことがあります。
社会資源の活用
シェーグレン症候群の患者さんが利用できる社会資源は複数あります。指定難病の医療費助成制度のほか、障害者手帳の取得や介護保険サービス、各種福祉制度なども、条件を満たせば利用可能です。これらの制度は、医療費や生活費の負担を軽減し、療養生活を支える重要な役割を果たします。
制度の申請には、主治医の診断書や意見書が必要となるケースが多いです。まずは主治医や医療ソーシャルワーカーに相談し、自分が利用できる制度について情報を集めましょう。地域の保健所や難病相談支援センターでも、制度に関する情報提供や申請支援を行っています。社会資源を適切に活用することで、経済的・精神的な負担を軽減し、より良い療養生活を送ることが可能になります。
シェーグレン症候群と定期受診の重要性
シェーグレン症候群は慢性疾患であり、長期的な経過観察が必要です。定期受診により、症状の変化や臓器病変の早期発見、治療効果の評価が可能になります。受診の頻度は、症状の程度や治療内容により異なりますが、数ヶ月に1回程度の受診が一般的です。
定期受診では、問診と身体診察、血液検査、尿検査などが行われます。血液検査では、炎症マーカーや自己抗体の推移、肝機能や腎機能のチェックが行われます。必要に応じて、画像検査(胸部レントゲンやCTなど)や唾液腺機能検査、涙分泌量など涙腺・眼科領域の検査なども実施されます。
自己管理と症状日誌
定期受診に加えて、患者さん自身による自己管理も重要です。日々の症状や体調の変化、薬の効果や副作用などを記録する症状日誌をつけることで、受診時に正確な情報を伝えられます。症状の悪化や新たな症状の出現に早く気づくことができ、適切な対処につながります。
症状日誌には、乾燥症状の程度、疲労感、関節痛、発熱などの有無、使用した薬や点眼の回数、食事や水分摂取量などを記録します。スマートフォンのアプリやノートなど、自分にとって続けやすい方法を選びましょう。記録を習慣化することで、自分の病状に対する理解が深まり、主治医とのコミュニケーションも円滑になります。
緊急時の対処法
シェーグレン症候群の患者さんでは、重症の感染症や急激な症状悪化が起こることがあります。高熱や強い痛み、呼吸困難、意識障害などの症状が現れた場合には、速やかに医療機関を受診する必要があります。特に免疫抑制療法を受けている方は、感染症に対する抵抗力が低下しているため、注意が必要です。
緊急時に備えて、かかりつけ医の連絡先や救急外来の場所、お薬手帳などをいつでも取り出せるようにしておきましょう。家族にも病気について説明し、緊急時の対処法を共有しておくことも大切です。日頃から体調管理に努め、異変を感じたら早めに相談することで、重大な合併症を予防できます。

