
新年を迎えるにあたって欠かせない縁起物「お正月飾り」。毎年目にしていながら、その意味や正しい飾り方をきちんと知っている人は意外と少ないかもしれません。そこで、「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に、お正月飾りの基本的なマナーを教えていただきました。








年神様をお迎えするための松と鏡餅は重要アイテム
お正月飾りには、幸せと健康をもたらす年神様(としがみさま)をお迎えする、という大切な役割があります。なかでも重要なのが「門松」と「鏡餅」です。
門松には「神様を“待つ”」という意味があります。
さらに、門松の松の枝は神様が降りてくる際のアンテナや目印の役割を果たすため、門松がないと年神様は迷ってしまうのです。
一方、鏡餅は降りてきた年神様が宿る場所とされています。
「門松と鏡餅、どちらかでも欠けると、年神様が行き場を失ってしまいますから、門松と鏡餅は必ずセットで飾りましょう。家にスペースがなく、本式の門松を飾るのが難しい場合は、本物の松を使っていれば、略式の飾りでもちゃんと役割を果たしてくれます。 本物の松を使ったリース飾りや松の盆栽で代用してみましょう」 と岩下先生。
清浄な場を示す「しめ飾り」は大掃除のあとに飾る
お正月飾りには、門松や鏡餅のほかに「しめ飾り(しめ縄)」もあります。しめ飾りは「この場所は清められた神聖な場所です」と神様に知らせるための印。
そのため、大掃除が終わってから飾るのが鉄則です。
「本来、年末の大掃除は自分のためではなく、年神様をお迎えするために行うものです。年神様は明るく清潔な場所を好み、そういう場所にしか降りていらっしゃらないからです。 時間がなくて家全体を掃除できなくても、キッチンやお風呂、トイレなどの水回りや、鏡餅を飾る部屋(リビング)だけでもきれいにしておくといいでしょう」

