背中や頭皮など自分では観察しにくい部位にもメラノーマは発生するため、これらの場所での早期発見には工夫が必要です。合わせ鏡を使った観察方法や、家族やパートナーに協力してもらう定期的なチェックが有効な手段となります。ここでは見落としやすい部位での具体的な確認方法と、観察のコツについて説明します。

監修医師:
本木 智輝(医師)
新潟大学卒業
日本医科大学皮膚科助教
見落としやすい部位での早期発見方法
メラノーマが発生しやすい部位の中には、自分では観察しにくい場所も含まれています。これらの部位でも早期発見を可能にするための具体的な方法について解説します。
背中や頭皮の定期的な確認
背中や頭皮は自分で直接観察することが困難な部位ですが、これらの場所にもメラノーマは発生します。早期発見のためには、家族やパートナーに協力してもらって定期的にチェックすることが有効です。
背中の観察には、合わせ鏡を使用する方法もあります。手鏡を持って後ろを向き、大きな鏡に背中を映して確認することで、ある程度の観察が可能になります。明るい場所で行い、既存のほくろやしみの変化に注意を払うことが大切です。
頭皮については、髪をかき分けながら丁寧に観察する必要があります。ドライヤーで髪を乾かす際に鏡で確認したり、家族に頭皮をチェックしてもらったりすることが推奨されます。特に分け目の部分は紫外線を浴びやすいため、重点的に観察するとよいでしょう。
また、美容院や理髪店で髪を切る際に、美容師から頭皮の変化を指摘されることもあります。このような指摘があった場合は軽く考えず、皮膚科の専門医による診察を受けることが賢明です。
パートナーや家族による観察の重要性
自分では見えにくい部位の観察において、家族やパートナーの協力は大変重要です。定期的に全身の皮膚をチェックし合う習慣を持つことで、早期発見の可能性が高まります。
観察の際には、新しく出現した色素斑や既存のほくろの変化に注意を払います。大きさ、色、形、表面の性状などを記録しておき、前回との比較ができるようにしておくとよいでしょう。写真を撮影しておくことも有効な方法です。
特に配偶者やパートナーは、背中や臀部、太ももの裏側など、自分では見えない部位を観察してもらうのに適した存在です。入浴後など、皮膚が露出している機会を利用して、お互いにチェックし合う習慣を作ることをおすすめします。
子どもがいる家庭では、親が子どもの皮膚を定期的にチェックすることも大切です。小児期のメラノーマは稀ですが、全くないわけではありません。また、若い頃から自己観察の習慣を身につけることは、将来の健康管理にも役立つでしょう。
まとめ
メラノーマは早期に発見できれば治療可能な疾患です。自覚症状に乏しく見逃されやすいという特徴を持つメラノーマですが、皮膚の変化を注意深く観察し、少しでも気になる点があれば専門医に相談することで、早期発見につなげることができます。爪の縦線や皮膚のほくろの変化、特に短期間での急速な変化や出血といった症状は重要なサインです。ABCDEルールを参考にしながら定期的に自己観察を行い、見えにくい部位は家族の協力を得て確認することが推奨されます。紫外線対策などの予防とともに、リスク因子を持つ方は定期的な専門医による検診を受けることで、メラノーマの早期発見と適切な治療につなげていきましょう。
参考文献
国立がん研究センター がん情報サービス「皮膚がん」
日本皮膚科学会「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン」
日本皮膚悪性腫瘍学会
慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト「メラノーマ(悪性黒色腫)」

