40代から急増する「大腸がん」 “便潜血検査”と“大腸カメラ”の選び方を医師が解説

40代から急増する「大腸がん」 “便潜血検査”と“大腸カメラ”の選び方を医師が解説

近年、大腸がんの罹患者は増加傾向にあり、40代・50代から発症リスクが高まることが知られています。大腸がんを早期発見するためには便潜血検査や大腸カメラといった検査が有効です。しかし、「毎年の便潜血検査だけで十分?」「一度は大腸カメラを受けるべき?」など、迷う方も多いと思います。今回は、所沢みやた内科クリニック院長の宮田大士先生に、両検査の特徴と適切な受診タイミングについて解説していただきました。

≫【1分動画でわかる】“便潜血検査”と“大腸カメラ”の選び方を医師が解説 宮田 大士

監修医師:
宮田 大士(所沢みやた内科クリニック)

浜松医科大学医学部医学科卒業。国家公務員共済組合連合会名城病院にて初期研修・外科医員。名古屋大学医学部第一外科学教室入局。2006年桐生厚生総合病院外科医長、2008年越谷誠和病院外科に勤務。2024年より所沢第一病院総合診療科に所属し、同年10月に所沢みやた内科クリニックを開院。日本外科学会専門医、日本ヘリコバクター学会H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医、日本乳がん検診精度管理中央機構マンモグラフィ読影認定医(A判定)、日本糖尿病協会登録医。厚生労働省認定 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了。

便潜血検査とは? 受けるメリットと検査の限界

便潜血検査とは? 受けるメリットと検査の限界

編集部

はじめに、便潜血検査とはどのような検査なのか教えてください。

宮田先生

便潜血検査は、便の中に目に見えない血液が混じっていないかを調べる検査です。大腸がんや大腸ポリープ、炎症性腸疾患などによる出血で陽性になることがあります。採便だけで済むため負担が少なく、特に大腸がんの早期発見に役立ちます。ただし、出血がない段階の病変は検出できないため、あくまでふるい分けのためのスクリーニング検査と考える必要があります。

編集部

便潜血検査で陽性と出た場合、大腸がん以外の原因で反応が出ることはありますか?

宮田先生

痔や大腸ポリープ、炎症性腸疾患のほか、一時的な腸の炎症や便秘による出血でも陽性になることがあります。つまり、陽性=大腸がんとは限りません。しかし、便潜血検査だけでは良性か悪性かを区別できないため、陽性の場合は必ず大腸カメラで原因を確認することが必要です。

編集部

便潜血検査のメリットとデメリットについて教えてください。

宮田先生

最大のメリットは安価で体の負担が少なく、誰でも気軽に受けられることです。デメリットとしては、出血していない病変や日によって出血量が変わる病変は見逃されることが挙げられます。陰性だからといって完全に安心はできません。そのため、40代以降は毎年の便潜血検査を習慣にしつつ、必要に応じて大腸カメラを組み合わせることが望ましいといえます。

大腸カメラの役割と受けるべきタイミング

大腸カメラの役割と受けるべきタイミング

編集部

大腸カメラの役割についても教えてください。実際にはどのような異常や病変を発見できるのでしょうか?

宮田先生

大腸カメラは、大腸の粘膜を直接観察することができる検査です。ポリープや大腸がん、炎症性腸疾患などを正確に診断でき、ポリープが見つかればその場で切除することもできます。さらに組織を採取して病理検査に回すこともでき、精密な診断が可能です。便潜血では見つからない早期の病変や出血を伴わない腫瘍も発見できる点が、大腸カメラの大きな強みです。

編集部

大腸カメラと便潜血検査を比べたときの精度や診断能力の違いについて教えてください。

宮田先生

便潜血検査はスクリーニングとして有効ですが、精度は大腸カメラに比べて低くなります。大腸カメラは大腸全体を直接観察できるため、早期がんや小さなポリープも見つけられます。便潜血検査は「入口」として有用ですが、出血のない病変は見逃されがちです。大腸カメラは出血の有無に関わらず病変を確認できるため、確定診断と治療に直結する検査といえます。

編集部

40代・50代の方が大腸カメラを受けるべきタイミングはいつが望ましいのでしょうか?

宮田先生

家族に大腸がんの既往がある方、便潜血で陽性となった方、血便や便通異常が続く方は大腸カメラを積極的に受けるべきです。また、40代後半以降は大腸がんのリスクが高まるため、症状がなくても一度は受けることをおすすめします。ポリープを早期に発見し除去することで将来の大腸がんを防ぐことにつながるので、症状が出る前に大腸カメラを受けることが非常に大切です。

配信元: Medical DOC

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