乳がんの抗がん剤治療期間
手術前後に行う抗がん剤治療の期間はアンスラサイクリン系抗がん剤とタキサン系抗がん剤をそれぞれ8〜12週行うことが多いです。手術後にS-1治療を行う場合は、1年間の内服、カペシタビン治療を行う場合は約6ヶ月行います。
乳がんで使用する抗がん剤の副作用
抗がん剤を行う場合、何らかの副作用を伴うことが多いです。副作用が出るか、どの程度出るかは個人差がとても大きいです。代表的な副作用についてご紹介します。
消化器症状(吐き気や嘔吐)
抗がん剤によって吐き気や嘔吐の症状が出ることがあります。抗がん剤を使用して24時間以内に起こる急性嘔吐、1週間以内に起こる遅発性嘔吐、薬を使用する前に予期して吐き気や嘔吐が起こる予期性嘔吐があります。アンスラサイクリンやエピルビシンでは頻度が中等度(30~90%)、タキサンでは軽度(10~30%)とされています。症状が起こるリスクに合わせて、予防的に制吐剤を使用します。
骨髄抑制(発熱、貧血)
抗がん剤の影響で白血球、赤血球、血小板を作る骨髄の機能が低下することがあります。白血球(好中球)が減少すると免疫が低下し、感染症にかかりやすくなり、38度を超える発熱が出ることがあります。日常生活において感染症に気をつけ、発熱した場合は抗生剤の使用や好中球を増やす薬を使用します。赤血球が減ると、貧血になりだるさや息切れが起こることがあります。場合によっては、輸血が必要になることがあります。また、血小板減少により、血が止まりにくくなることがあります。
脱毛
アンスラサイクリンやタキサンではほぼ100%の確率で脱毛が起こります。髪の毛だけではなく、眉毛、まつ毛、体毛なども抜けます。治療開始してから2週間で抜け始めることが多く、治療終了後数ヶ月で再び生え始めます。最近は頭皮冷却装置で脱毛を軽減する試みもあります。
心機能の低下
アンスラサイクリン系抗がん剤は心臓に対する副作用があります。息苦しさ、むくみ、動悸など心不全の症状が現れることがあります。定期的に心機能検査を行う必要があります。
末梢神経障害(手足のしびれや痛み)
タキサン系抗がん剤は末梢神経に対する副作用があります。手足のしびれ、ピリピリとした痛み、指先の動かしにくさなどの症状があります。薬の投与回数が増えるほど、症状が出やすくなります。症状が強くなった場合は、抗がん剤の減量や休薬をすることがあります。しびれの症状は半年程度で気にならなくなることが多いですが、長期間続くこともあります。
手足症候群(手足の赤みや腫れ)
カペシタビンやS-1では手足の副作用が出ることがあります。手のひらや足の裏の痛み、腫れ、赤み、乾燥や色素沈着などの症状があります。保湿クリームやステロイド軟膏で改善します。症状が辛い場合は、抗がん剤を減量や中断を行うことがあります。

