食事介助で大切なこと|介助の手順や誤嚥(ごえん)を防ぐポイントを解説

食事介助で大切なこと|介助の手順や誤嚥(ごえん)を防ぐポイントを解説

自力での食事が困難な方に対してサポートを行う食事介助について、どのように行えばよいのかとお悩みの方もいるのではないでしょうか。
食事介助の際には守るべき大切なことがあり、トラブルなどを避けるためには適切な姿勢や手順などを守って対応する必要があります。
この記事においては、食事介助を実際に行う際の手順や、誤嚥を防ぐためのポイントなど、食事介助において大切なことを紹介します。

小田村 悠希

監修社会福祉士:
小田村 悠希(社会福祉士)

・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

食事介助の基礎知識

食事介助の基礎知識

食事介助とはどのようなケアですか?

食事介助とは、ご高齢の方や何かしらの障がいを持つ方など、自分一人で食事を行うことが難しい方が、安全性の高い状態で食事を行えるようにするためのサポートです。
食事を口に運んだりするほか、食事をしやすくするための環境準備、そして食事後の片付けなど、食事に関する全般の補助が該当します。
食事をしやすくするための環境準備については、例えば、食事を食べやすいように小さくしたり、テーブルの高さや要介助者の姿勢を整えて食べやすい環境を整えたり、食事をしやすい食器を揃えたりといった内容です。

食事介助の目的や対象について教えてください

食事は、生きていくために必要な栄養素を摂取するための行為であることはもちろん、人生のなかでの楽しみとしても大きな役割を持っています。
食事介助は、ご高齢の方や、障がいなどによって身体が不自由な方でもしっかりと食事をとって、健康な生活を送れるようにするだけではなく、食事を楽しみ、個人としての尊厳を守るためのサポートとして行われます。

食事は可能な限り介助なしで行う方がよいですか?

そもそも介助とは、介助を受ける方が自分自身でできないことを中心にサポートするというものです。生きていくために必要なサポートを行う介護とは異なり、介助の場合は本人ができることは、なるべく本人の力で行えるようにするという考えで、必要な部分だけを支援します。
その理由の一つ目が、本人が自分自身で行えることまで過度にサポートをしてしまうと、行動するための能力が低下しやすくなってしまう可能性があるためです。例えば、食事の片付けなどを自分でできる能力があるのに、過度にサポートをしてしまうと介助を受ける方の活動機会が減少し、結果として身体能力の低下を早めてしまうなどです。
また、自分でできることは自分でやった方が、達成感を得ることができて、生活の質が向上されるという点も、過度な介助を避けるべき理由の一つです。加齢などにより自分でできることが減っていってしまう状況においては、自分一人でできることを維持することが、精神的な健康状態を維持するために重要です。
もちろん、安全性に配慮された食事を行えるような配慮を行ったうえでという前提がありますが、自分でできることは過度にサポートをせず、介助を受ける方としっかり向き合いながら対応を行うことが大切なことの一つです。

食事介助で大切なこと

食事介助で大切なこと

食事介助の際に気を付けるべき点を教えてください

食事介助の際には、下記の点に気を付けるとよいでしょう。

食事の際の姿勢に注意する

要介助者と目線を合わせる

少量から食べ始めるようにする

水分が多いものから食べるようにする

主食や副菜、水分をバランスよく食べる

要介助者のスピードで食べてもらう

飲み込めたかどうか、のどの動きをよく確認する

食事時間が長くなりすぎないようにする

食事介助の際には、まず適切な姿勢で食事を行えるようにすることが大切です。テーブルで食事をする際やベッドの上で食事をする際など、食事をする場所に応じた適切な姿勢をとることで、誤嚥などのトラブルを予防できます。
介助者が要介助者と同じ目線になるように対応をすることも大切です。目線を同じにすることで、食事の際の安心感が生まれるとともに、顔が上を向いてしまうことを防止して、食事によってむせることを防ぎます。

また、食事は水分が多いものから、そして少量から食べ始めるようにしましょう。食べ始めは唾液量が少ないため、これによって無理なく食べ始めやすくすることができます。
食べるのに慣れてきたら、主食や副菜、水分をバランスよく口に運ぶようにして、満遍なく食べることができるようにします。ただし、要介助者が食べたい順序などがあれば、そちらを優先して食事を楽しみやすくする方がよい場合もあります。

食事のスピードは基本的に要介助者のペースに合わせ、無理なく食べ進められるようにすることが大切です。まだ飲み込めていないのに次の食べ物を口に運ばれると、食欲が失せてしまうなどの問題につながる可能性もあります。飲み込めたかどうかはのどの動きを確認しながら判断しますが、判断が難しい場合は声かけなどを行って確認するとよいでしょう。
ただし、あまり長時間食事をしていると疲労により誤嚥などのトラブルにつながりやすくなるため、目安として食事は30分以内程度に抑えるとよいでしょう。

なぜ食事介助では声かけが大切なのですか?

食事介助の際には、声かけがとても大切です。
次に口に入るものが何かなどを声かけによって知ることで、要介助者が食べ方を判断しやすくなるため、食べやすくなるほか、食事自体を楽しみやすくすることができます。
また、声かけを行うことでコミュニケーションの活性化につながり、次に何を食べたいのかなどの要望を言いやすくなったり、気になることを伝えやすくなったりして、トラブルを防ぎながら食事をしやすくなります。

食事前の注意点はありますか?

食事前に行うべき大切なこととして、下記のようなポイントがあります。 体調の確認

介助者と要介助者のどちらも手を清潔にする

トイレを済ませておく

食事を食べやすい状態に整える

事前の口腔ケアを行う

食事を行う前に、まずは体調の確認を実施しましょう。体調が悪い状態で無理に食事をすることは避け、体温や血圧を計測して、食事の安全性に配慮します。

体調に問題がなければ、しっかりと手洗いをして、清潔な状態で食事を始めます。
食事の途中にトイレに行きたくなってしまうと食事に集中できなくなるので、トイレは事前に済ませておきましょう。

食事内容は、あらかじめ細かく切っておくなど、食べやすい状態に整えておくことが大切です。

また、食事の前に歯磨きなどの口腔ケアを行うことも大切なことです。
お口のなかを清潔にしてから食事をすることで、誤嚥性肺炎などのリスクを軽減させることができます。

食事後の口腔ケアのポイントを教えてください

食後は、お口のなかに食べ残しがないかをしっかり確認し、歯磨きなどの口腔ケアを早めに行いましょう。
入れ歯を使用している場合は、ブラシや洗浄剤を使用して清潔に保ちます。
歯磨きを行う際も、目線を合わせることが大切です。介助者が立ち上がるなどしてしまうと、顔が上を向いてしまうため、誤嚥のリスクが生じます。
食後は30分から1時間程度は横にならないようにして、胃からの逆流を防ぐことも大切なことです。

配信元: Medical DOC

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