「ぬるくなるくらいまで戻してほしい」 料理家の今井真実さんが教える“上手なステーキ肉の焼き方”

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オージービーフの魅力は“赤身のおいしさ”


大阪万博でも披露した「濃厚発酵梅ソース」は、甘酒と味噌、醤油、そして梅干しで作る。

「甘酒は風味が強いですが、強めの中火にかけて煮詰めることによって、風味もまろやかになりつつ、濃厚な甘みとかうま味が入ります。煮詰めてカラメル状になってきたら、味噌、醤油、ごま油、梅干しの果肉、すりごまを加えて混ぜ合わせれば完成です。梅干しが入っていますが、そんなに酸っぱくない丸いソースで、すごくおいしいです」

今井さんは幼稚園くらいのときから、すでに料理が大好きだったという。

「両親が商売をしていたのですが、同じ敷地にいとこの家があって、両親が帰ってくるまで一緒にご飯を作っていました。いとこの家は料理雑誌を定期購読していたので、料理雑誌やレシピ本も読み漁っていましたね」

仕事で忙しいお母さんのために、自分の家でも料理の手伝いをしていたとか。

「母は帰ってきてから料理をするので、その前にメニューを選んでおいたり、ちょっと下ごしらえをしておいたり、ご飯を炊いておいたりといったことをしていましたね」

オージービーフのPRアンバサダーになったきっかけは、肉好きで牛肉レシピをたくさん出していたことから、オージービーフ業界の方から取材を受けたことにある。

「そこで『アンバサダー制度が始まるのですが、どうですか?』と言われたんです。新しいことに挑戦するのは怖いタイプだったのですが、実際にオーストラリアに行って勉強するのは貴重な体験だなと思って、やってみることにしました。そこから本当に自分の世界が変わって、何かに飛び込むことにも恐れなくなりましたね」

オージービーフの魅力は、“赤身のおいしさ”にあると今井さんは言う。

「オージービーフの研修旅行で、15ヶ国の25人のシェフと一緒にオーストラリアを10日間周って、朝から晩までオージービーフを食べたんです。バス移動や飛行機移動が多い大変な10日間だったんですけど、へたらなかったんですよ。パワーがちゃんと体につくというか。そして、太りもしなかった。女性の体に赤身肉はすごく必要だし、体にもいい。そして、いくら食べてももたれないから、水のように食べられるんです」

オージービーフは、基本的には広大な自然の中で放牧で育てられるため、脂の質も違うという。

「自然のままに育てられて、最後に肥育するか、そのまま出荷されるかなんです。そのまま出荷されるとグラスフェッドビーフになり、その後に穀物肥育をすると脂が入ってくるんです。だから、どの牛肉が好みかというのが、割と細分化されているんです」

「梅」は世界に広がる可能性がある食材


今井さんは梅干しも手作りしていて、“梅しごと”に関する本も出している。梅干し作りは大変そうなイメージを持つ人が多いが、全く難しくないと断言する。

「梅しごとを始めるときに、梅シロップに挑戦される方が多いんですけど、梅シロップより梅干しのほうが簡単です。梅シロップはカビやすいですが、梅干しは塩分が多いのでカビにくい。だから、失敗が少ないのは梅干しです。実は干さなくてもよくて、塩漬けしてそのまま召し上がっても大丈夫です。料亭とかだと干さないんですよ」

最近は、梅しごとに興味を持つ人やチャレンジしてみたいと思っている人も増えてきていると感じているという。

「完熟梅をダージリンティーと砂糖で煮るだけで作れる『梅ダージリン』のレシピを本で紹介したのですが、それに派生したレシピがいっぱい生まれていると感じます。梅干しと梅シロップだけではなく、いろいろな梅の使い方ができるということが伝わってきている気がします」

「梅ダージリン」はシロップとして割ってもいいし、グラニテにしてもいいし、ゼリーにしてもいいという優れもの。いろいろと試していくうちに完成したレシピなのだとか。


今井さん考案の完熟梅を使った「梅ダージリン」

「日本茶、中国茶、いろいろなハーブティーなどで試して、ダージリンが一番いいなと思ってレシピに載せました。でも、ほかのお茶もそれはそれですごくおいしいんですよ。今年『梅ローズヒップ』という新しいレシピもネットに載せたのですが、梅はクリエイティビティを刺激する、すごく可能性を秘めている食材です。まだまだいろいろな遊び方がありますね」

大坂万博でも、梅に興味を持つ外国人の方がたくさんいたそう。

「私がソースを作っているとみんな近づいてくるんですよ。鍋の中を覗いてくるからめっちゃプレッシャーで(笑)。食べてもらったら、『味の強いドライトマトみたい』って言っていましたね。でも、ソースに仕立てるとすごくおいしいので、外国の方にも受け入れられやすい食材やなって思っています。食べ方とかを工夫すれば世界に広がる可能性もあるでしょうね」

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