中学受験の午後入試は取り入れるべき?塾講師ママがメリットとデメリットを解説

都内の抑え校の合格を早めに確保できる

午後入試を利用すれば、第一志望校入試がかたまる2月1日、2日も抑え校を受験することができます。

もちろん学校の日程次第ですが、たとえば2月1日の午前に第一志望校、午後に抑え校というスケジュールが組めるということです。

午前入試の結果は早ければ当日、午後入試は翌日に発表されます。

第一志望校と抑え校両方の結果を見て、2月2日、3日のスケジュールを調整できるのは大きなメリットです。

午後入試のデメリット

受験チャンスが増えるなどメリットは多いですが、体力面や精神面でデメリットもあります。

気力・体力の負担

入試は気力・体力ともに消耗します。

学校によって幅はありますが、4科目入試の試験時間はだいたい3時間ほどです。

実際に私も過去の入試問題を解いてみて思うのですが、入試問題というのは見ている以上に集中力を必要とします。

知らない場所で緊張しながらの受験ともなれば、消耗は計り知れません。

それを午前ののち、午後も行うというのは子どもにとって大きな負担となるでしょう。

また、午後に別の学校を受けるとなると移動時間も考えなければいけません。

翌日の午前に入試がある場合は、休む間もなく試験が続きます。

気力や体力の負担は大きいため、午後や翌日の集中力がちゃんと保てるかは子どもと相談してよく考えたいですね。

翌日以降の準備にあてられる時間が減る

学校によって異なりますが、多くの午後入試は15時前後に始まります。

午前入試を終えて移動と食事を済ませると、ちょうどいい時間に設定されていることが多いでしょう。

終わるのは早くて17時ごろ、遅ければ19時近くとなるため、家に帰るのは20時を越えることもあります。

そうなると、家で当日の入試問題で思い出せなかったものの復習や翌日に向けた勉強をする時間はあまり取れません。

食事をしてシャワーを浴び、翌日に備えて早く寝ると考えれば、頭の体操としての簡単な計算や漢字を勉強できれば良いほうでしょう。

第一志望校の前日は落ち着いて過ごしたいと考えるなら、その日は午後入試を入れないというのもひとつのやり方ですね。

不合格のショックがダブルでくることも

多くの学校は午前も午後も、入試結果は翌日には見ることができます。

早いところでは当日中に確認できることも。

両方合格、もしくは1校でも合格であれば自信に繋がりますが、両方不合格という可能性もゼロではありません。

午前・午後と消耗しながら受けた結果として、2校分の不合格をつきつけられるのは精神的なダメージが大きいでしょう。

こういった事態をできるだけ避けるためには、自信をつけるための合格は1月中にもぎ取っておく、もしくは午後入試は易しめの抑え校にあてると良いと思います。

午後受験は守りの一手

午後受験はメリットとデメリットを考えて、子どもに合った活用をしましょう。

個人的には、午後受験は「守りの一手」として使うのが良いように思います。

第一、第二志望の合格をなんとしてでももぎとるために受けるということですね。

受験チャンスは多いほうがいいというのはその通りですが、デメリットを考えると「せっかくなら午後も受けられるだけ受けておこう」というのはリスクが高いでしょう。

第一志望校へ全力を傾けられるよう、上手く活用していきましょう。

中学受験ナビの連載『塾のトリセツ』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ

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天海ハルカ天海ハルカ大手進学塾で国語講師を務め、主に5,6年生を担当。偏差値20台の勉強しない子供から、御三家に合格するレベルの子供まで幅広いレベルを受け持つ。モットーは「無理なく楽しく効率的に」。著書に『中学受験国語・成績を上げる思考力の磨き方-情報を整理し理解して伝える力』(エール出版社)。

中学受験を応援する個人サイトを運営しながら教育系webライターとして教育、子育てサイトでも活動。プライベートでは、わが子の中学受験をサポート中。

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