自分に対するプライドが高く「いつも1番でいたい」と話し49歳同僚・礼子さん。しかし、若い女性が褒められたり良いものを持つと、露骨に不機嫌になり、否定的な言動で周りを不穏な空気に。その振る舞いに、主人公・あやかは疲れていきます。
同性が褒められるのは気にくわない
礼子さんは、自分をとてもきれいだと思っているのは伝わってきます。ただ、正直なところ、私の目には年相応に見えました。それなのに、他の若い女の子が職場の男性に褒められているのを見ると、露骨に機嫌が悪くなるんです。
例えば、新入社員の愛ちゃんが「愛ちゃんの声、かわいいね」と褒められると、私の方を向いて「かわいいのは声とか仕草だけだよね〜、中身は全然じゃない?」と、まるで同意を求めるかのように囁いてくるのです。私はただ曖昧に笑うしかありませんでした。
礼子さんは自分が満足しているだけではなく「人に認められる」ということにこだわっているようでした。いわゆる承認欲求がとても強いんだと思います。
比較をして優位に立ちたい同僚
また、別の既婚の若い女性が、最近導入したというドラム式洗濯機の話をすると、これまた
「ドラム式洗濯機?便利かもしれないけど、私はいらないんだよね〜。あんな大きなもの、置く場所ないし」
と、まるでその女性のライフスタイルを否定するかのような言い方。誰がどんなものを持っていても、自分が気に入らなければ「私は必要ないかな」と堂々としていればいい。でも、礼子さんはなぜか、自分以外の女性が褒められたり、何か良いものを持っていたりするとそれを否定して、誰かに同意してもらいたがるのです。
誰かに承認してほしい、同意してほしい…そんな気持ちが伝わってきます。もしかすると不倫する気持ちもまた「奥さんよりも認められたい」「誰かのものを奪えるほど魅力的だと思いたい」という気持ちの表れなのかもしれません。

