コーヒーと薬の飲み合わせは、カフェインによる相互作用が影響することがあるそうです。一般的にコーヒーで薬を服用することは良くないとされていますが、特に飲み合わせの悪い薬は何なのでしょうか。飲み合わせや、薬を飲んだ後の注意点などを薬剤師の鈴木さんに伺いました。

監修薬剤師:
鈴木 智哉(薬剤師)
星薬科大学薬学部薬学科卒業。卒業後調剤併設ドラッグストアであるスギ薬局に就職。処方箋、OTCと様々な業務を学びつつ2015年から管理薬剤師として従事。ただ説明するだけでなくプラスアルファの知識を届けられるよう日々活動。研修認定薬剤師。
編集部
コーヒーとの飲み合わせが特によくない薬はどのようなものがありますか?
鈴木さん
カフェインを含む薬以外にも、睡眠導入剤や気管支喘息の薬、痛風の薬なども飲み合わせがよくないと言われています。カフェインの覚醒作用は、睡眠導入剤の効果を邪魔してしまいます。また、カフェインは気管支喘息の薬に含まれる「キサンチン誘導体」という気管を拡げて呼吸を楽にする薬と同じような働きをするので、気管支喘息の薬の副作用を強めてしまう可能性もあります。ほかにも、カフェインは尿酸と形が似ているので、痛風の薬で尿酸ではなくカフェインを排出してしまい、尿酸が排出できず効果が発揮されにくくしてしまうおそれもあります。
編集部
薬を服用した後、どのくらい時間をあければコーヒーを飲んでもいいですか?
鈴木さん
薬を服用する前後30分はコーヒーを飲まない方がいいでしょう。もちろん、緑茶や紅茶にもカフェインが含まれるので緑茶や紅茶も同じくらいあけた方がよいです。
編集部
ニコチンガムもコーヒーと組み合わせてはいけないのですか?
鈴木さん
やめたほうがいいですね。コーヒーなどの酸性飲料と併用してしまうと、口腔内のpHが低下してニコチンが吸収されにくくなります。実際にもコーヒーと併用してニコチンガムがあまり効かなかったという事例もあるようです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
鈴木さん
コーヒーと薬の主な関係はカフェインに関わるお話でしたが、カフェインは薬にも含まれているので注意が必要なのです。近年、海外でもエナジードリンクの飲み過ぎによるカフェイン中毒のニュースもありました。コーヒーをはじめとするカフェインが含まれている飲料の摂りすぎに注意しましょう。また、薬の効果をしっかり発揮させるためには水で服用するのが1番ですので、水で服用するように心がけましょう。
※この記事はメディカルドックにて【「コーヒーで薬を飲むのは危険!」その理由を薬剤師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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