”悪性化”しやすい「胃ポリープの見た目」は?進行時の症状も医師が解説!

”悪性化”しやすい「胃ポリープの見た目」は?進行時の症状も医師が解説!

胃ポリープの症状

胃ポリープは胃の粘膜面に局所的に隆起した病変で、初期には特別な症状はありません。
しかし大きくなるにつれて影響が出る場合があり、慢性の萎縮性胃炎が背景にあるポリープでは、胃炎の影響による症状がおこります。
主な症状を解説します。

胃もたれ・胃の不快感

ポリープのうち過形成ポリープや腺腫性ポリープでは、直径数cmにまで大きくなることがあります。
大きくなったポリープが胃の入口や出口を狭め、食物が動きにくくなって胃もたれや胃の不快感などの症状が表れます。

胃やみぞおちの痛み

胃ポリープには過形成ポリープや腺腫性ポリープのように、ピロリ菌の感染による慢性の萎縮性胃炎を伴うものがあります。
こうしたタイプでは胃炎による症状として、胃やみぞおちの痛みがみられます。

食欲不振

食欲不振も萎縮性胃炎では普遍的な症状です。萎縮性胃炎では胃液の分泌機能が大きく低下して胃液が十分に分泌されず、食べた物が消化されにくいために空腹を感じにくくなります。
また、ポリープが大きくなって胃の出入り口が狭くなることも、食欲不振がおこる原因の一つです。

胃の膨満感

胃の膨満感も、食欲不振や胃もたれと同様に、慢性の萎縮性胃炎からおこる症状です。
胃の粘膜が薄くなり組織が脆弱化して萎縮し、胃酸や胃液の産生能力が低下するために食べ物を消化しにくくなります。
そうなると食べ物が胃に長時間留まり、お腹のハリ・膨満感がおこりやすくなるわけです。

貧血

胃ポリープの症状では貧血も見られます。症状がほとんどないとされる胃底腺ポリープでも大きくなると出血しやすくなり、過形成ポリープや腺腫でも表面からの出血が見られます。
貧血の症状は出血量が多くなったためで、血液の流れをよくする薬を服用したり、血液透析を受けていたりする方によく見られる症状です。
出血が止まりにくいため、意識しないうちに出血が続いて貧血に至ります。

タール便

タール便は真っ黒で光沢があり、重油のような粘り気のある便です。血液中のヘモグロビンが胃液で酸化されて黒くなります。
便が黒くなるのは胃や食道から多量の出血があったことを示し、多くはめまいや立ちくらみなど貧血の症状を伴います。
タール便が出たら早急に、内視鏡検査ができる消化器内科を受診してください。

胃ポリープの検査方法

胃のポリープはかなり大きくならないと自覚症状がないため、ほとんどが健診で見つかります。
現在の健診はX線検査と内視鏡検査が主体ですが、それぞれ機能により特徴があります。個別に見て行きましょう。

バリウム検査

この検査は造影剤を飲んでX線を照射し、胃粘膜に付着した造影剤の影によって病変の形を描き出す検査です。胃全体の形や内面の凹凸が白黒画像で描写されます。
胃ポリープのような隆起した病変では、位置・形・大きさなどが正確に把握できる検査です。
ただし、見た目・悪性度・色あいなどはわかりません。確定診断は内視鏡による生検に委ねます。

上部消化管内視鏡検査

一般的に胃カメラと呼ばれる上部消化管内視鏡では、細いチューブの先端に付けたカメラでポリープを直接目視しながら検査します。色調や表面の様子など、見た目で種類の判別ができ、組織を採って悪性化やピロリ菌感染の診断も可能です。
特殊な光源によりわずかな色調の違いから平坦な病巣を発見したり、拡大機能でごく小さな隆起や凹み・微小な病変を見つけたりできるなど、得られる情報量が大きな検査ができます。

配信元: Medical DOC

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