10年前、第1子である娘を妊娠していたときのお話です。妊娠5カ月ごろ、ホルモンバランスの影響かメンタルが不安定になりがちだった私は、夫のある行動にひどくモヤッとしてしまいました。
憧れの母子健康手帳ケース
妊娠前から、私には密かに憧れていた物がありました。それは「母子健康手帳ケース」です。正直、なくても困りませんし、100円ショップのケースでも十分代用は可能です。
それでも、ネットでかわいいデザインや多機能なものを見るたびに、「やっぱり欲しいな」と胸をときめかせていました。
しかし、いざ購入しようとすると意外と値が張るものばかり。思い切って夫に相談してみたところ、「そんなもの、必要ないだろ? 無駄遣いだよ」と鼻で笑われてしまったのです。
なんだかバカにされたようで悲しかったですが、自分でも「ぜいたく品かも……」という迷いがあったため、そのときは購入を諦めることにしました。
まさかの履歴にワクワクしたのもつかの間…
それから1カ月ほど経ち、私が諦めたケースの存在も忘れかけていたころ。夫と共有しているネットショッピングの購入履歴を見て、私は目を見開きました。なんと夫が、某人気キャラクターのかわいらしい母子健康手帳ケースを購入していたのです。
「もしかして、内緒で私のために……?」
期待に胸を膨らませて夫に尋ねると、返ってきたのは予想外の言葉でした。
なんと、そのケースは会社の同僚の奥さんへの「出産祝い」だと言うのです。
「どうして妻の私じゃなくて、同僚の奥さんに!?」
思わず詰め寄ると、プレゼントを考えていた際に、私がケースを欲しがっていたことを思い出したのだそう。「私が欲しいもの=女性が喜ぶもの」と短絡的に結びつけた夫は、私の気持ちなど考えもせず、同僚へのプレゼントとして迷わず購入したのでした。

