マイナビ出版が主催する本プロジェクトは、中学生の言語化能力向上の支援や、書籍や出版業界への親しみを持ってもらうことを目的に開催しました。当日の様子をレポートします。
読書は、常識を超えた価値観を伝えてくれる
特別講師には、文芸評論家・三宅香帆さんが登壇しました。特別講師として登壇した三宅さんは、著書『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)などで知られています。
冒頭、三宅さんは、「読書は、みんなが常識だと思っていることを超えてくる価値観を伝えてくれる行為」だと熱弁。読書と密接につながっている発信の方法について、読書感想文を例に挙げながら解説しました。

特別講師として登壇した文芸評論家・三宅香帆さん
言語化のポイントは、語彙力ではなく「具体化」と「自分ごと化」
三宅さんは、言語化する際のポイントとして、語彙力ではなく、「具体化」と「自分ごと化」が重要であると指摘。三宅さんは、実際にご自身が読んだ『夜のピクニック』(恩田陸/新潮社刊)での読書体験を例に挙げながら、どのように具体化と自分ごと化をすればよいのか、分かりやすく伝えました。生徒たちは三宅さんの話に真剣に耳を傾け、熱心にメモを取っていました。

熱心にメモを取る生徒たち
また、講演終盤には、実際に三宅さんが指摘したポイントを基に、生徒自身が言語化を実践するワークショップを実施。この1年で生徒自身が体験した出来事のうち、自分が良いと感じた点を具体化し、自身の経験と絡めて発表しました。
ある生徒は、『カフネ』(阿部暁子/講談社刊)を読んで感じたことを発表。『カフネ』のあらすじを紹介しながら、小説の魅力や自分がどこに興味を持ったのかを具体的に話してくれました。
また、もう一人の生徒は、自身が所属している吹奏楽部の経験について触れました。アンサンブルを組んでいるチーム全員で、気持ちを一つにする姿勢を感じられた出来事があったといい、これからも自分たちで部活の雰囲気をつくっていきたいと意気込みを語りました。

中学生約300人に対し特別授業
最後に三宅さんは、「文章を書いたり面接を受けたりといった場面で人に何かを伝える際には、自分が何を考えているのかを具体的に相手に伝えることが大切。こうすることで、相手が初対面の方だとしても『この人はこういうところに関心を持つのか』と皆さんのパーソナリティを分かってもらいやすくなります。ぜひ今回お伝えしたテクニックを覚えておいてもらえるとうれしいです」と述べ、講演を締めくくりました。
