森七菜『ひらやすみ』
次にご紹介したいのが『ひらやすみ』(NHK総合)に出演した森七菜です。東京・阿佐ヶ谷にある平屋で暮らす、主人公・ヒロト(岡山天音)のいとこ。美大に合格したことで、山形から上京しヒロトとふたり暮らしを始めることになる18歳の小林なつみ役を演じました。青年期ならではの“こじらせ”をチャーミングに表現
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ハツラツとした笑顔のヒロインイメージが強い森ですが、本作では全く違います。
終始不機嫌そうでした……(笑)。山形から上京してきたばかりの瑞々しさとあどけなさ。それに将来への不安や、自意識を多分に持て余す不器用な若者を解像度高く表現していました。「なんで私だけうまくいかないのか」といういら立ちから、不機嫌をまき散らしたり、落ち着かない動きをしたり。
のんきなヒロトとの対比も相まって、かなり目が離せない存在でした。基本的には自分本位で自意識過剰な女の子ではありますが、森は観る者に嫌悪感を与えない絶妙なさじ加減で演じています。チャーミングな不機嫌顔を愛おしく思わせてくれるのです。原作ファンも納得の“なっちゃん”役は、森の新たな魅力を引き出していました。

