友人と会っている母は、しっかりしようと頑張っているように見えたけれど<母の認知症介護日記>

友人と会っている母は、しっかりしようと頑張っているように見えたけれど<母の認知症介護日記>

アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。
姉・なーにゃんが施設を訪れたときのこと。意地悪オバチャンこと「アライちゃん」に声をかけられ、ホールの隅で2人で話していました。その様子を見た母・あーちゃんが、何を話しているのか気になったようで近づいてきたのですが、すぐうしろには見知らぬおじいちゃんが、なぜか腕を広げた状態でついてきていて……。おじいちゃんは、あーちゃんを追い抜いたかと思ったら、アライちゃんもすり抜け、両手を広げたまま、なーにゃんに迫ってきました。そこで、タイミングよく施設長が登場して進路を変えてくれたことで、事なきを得ましたが、危うくハグをされるところだったので、なーにゃんはゾッとしてしまったのでした……。


このところ、あーちゃんは着るものや身なりにすっかり関心がなくなってきたようです。それは、ワフウフさん姉妹が施設で浮かないようにと選んだ洋服があーちゃんの好みではない地味なものばかりだからのようです。出かけたときには目を輝かせて洋服や靴を吟味していました。ただ、選ぶものは露出度が高かったり派手だったりと、やはり施設の普段着には適していないため、ワフウフさんが買わないと伝えると「そうよね……。もう出かけることもないものね……」としょんぼり。ワフウフさんは、ただあーちゃんが今の自分に合ったものを選んでほしいだけなのに、それを理解してもらえずにもどかしい気持ちでいっぱいです。

まさに「目は心の窓」

母の認知症介護日記/ワフウフ


今日、あーちゃんは古くからのお友だち・Kさん母娘と、姉・なーにゃんと4人で食事会です。直前になってウィッグを作ることに前向きになり、以前より自然なウィッグを購入。オシャレもばっちりです。


母の認知症介護日記/ワフウフ


今日のあーちゃんは、シャキーンとしていました。


母の認知症介護日記/ワフウフ


Kさんと会っているときも、同じ話を繰り返すことはあっても、しっかりしようと頑張っているようです。


母の認知症介護日記/ワフウフ


なーにゃんも、そんなあーちゃんの姿を見て、うれしく思っていたのですが……。


母の認知症介護日記/ワフウフ


夜、改めて食事会のときの写真を眺めていて、衝撃が走ります。


母の認知症介護日記/ワフウフ


あーちゃんの顔つきが、あきらかに認知症だとわかるような、どこかうつろな顔つきに見えます。その場ではしっかりしたように見えていたので、衝撃的でした……。


母の認知症介護日記/ワフウフ


そんななか、生活費の請求をスルーしていた父・たんたんから久しぶりにメールが届きました。


母の認知症介護日記/ワフウフ


私たちにとって叔母にあたる、父の妹が危篤とのことで、近所に住む弟と一緒に実家に帰るようです。


母の認知症介護日記/ワフウフ


私たち姉妹の祖母、あーちゃんにとっての実母が危篤になったときは、行く必要がないと怒鳴っていたのに、自分の家族となるとすぐ行くみたいです……。


母の認知症介護日記/ワフウフ


叔母には一度か二度しか会ったことがなく、危篤を心配するよりも、どうなっているか気になっていた実家へ、父の不在中に行けるチャンスと思ってしまったのでした……。


今日は、あーちゃんの古くからの友人・Kさん母娘と、あーちゃんと姉・なーにゃんの4人で食事へ。直前になってあーちゃんがウィッグを新しく作ることに意欲的になったので、前のものより自然な仕上がりのものを購入し、メイクもしてオシャレもして出かけました。あーちゃんはいつもよりシャキッとしているように見えて、Kさんと会っている間もいつもよりしっかりしようと頑張っているようでした。


なーにゃんがあーちゃんの様子をちょこちょこ知らせてくれていたので、私も普段とは違う緊張感も大事なのかもしれないと思っていたのですが……。夜になって、なーにゃんが送ってくれた写真をじっくり見ていたとき、あーちゃんの顔つきがどれもこれも認知症にしか見えず、衝撃……。ATMでお金を引き出せなくなった1年前ですら、もっとしっかりした顔つきに見えます。うまく説明できないけれど、目の焦点が合っていないというか、目が意思を表していないというか……。「目は心の窓」という言葉のとおり、あーちゃんの心が空っぽだというのが目を見ればわかってしまうのです。


こうして、あーちゃんの認知症が進行していくなか、久しぶりに父・たんたんからメールが届きました。内容は「妹が危篤のため、弟と一緒に実家に帰る」というもの。私たち姉妹にとっては叔母にあたりますが、子どものころに一度か二度会ったことがあるくらいの記憶しかなく、危篤を心配するよりも先に「父がいないなら、実家の様子を見に行ける……!」と思ってしまった罰当たりな私たちを許してください……。実家が今どうなっているのか気になっていたので、この機会に実家を見に行くことにします!


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あーちゃんにとっていい刺激になると思っていたお友だち母娘との食事会が、あーちゃんの顔つきが変わってしまったことを目の当たりにするキッカケになってしまったのは複雑ですね……。それでも、ウィッグを作ることに前向きになったり、オシャレを楽しんだりして、あーちゃんにとっては楽しい時間になったはずです。Kさんのように認知症のことを理解してくれるお友だちがいるのは、本当に心強いですね。


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※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。


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著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ

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