透析治療中でもインプラントは可能?リスクやできないケース、対処法も解説

透析治療中でもインプラントは可能?リスクやできないケース、対処法も解説

インプラントが受けられないケース

インプラントが受けられないケース

インプラント治療を受けられないケースを教えてください インプラント治療は外科手術を伴うため、すべての方が受けられるわけではありません。以下のようなケースでは治療が難しいとされています。1.未成年(18歳未満)の方
顎骨が発達途中のため、インプラントが成長に悪影響を与えるおそれがあります。2.骨密度が低い方(骨粗しょう症など)
骨がもろく、インプラントが十分に固定されず結合しにくい場合があります。3.歯周病やむし歯が進行している方
歯茎や顎骨に炎症があると、治療の成功率が低下します。

4.持病がある方
糖尿病や高血圧、腎疾患(透析中)などの患者さんは、感染や出血、傷の治りにくさなどのリスクが高まります。

5.妊娠中の方
身体への負担を避けるため、手術は推奨されません。

6.喫煙習慣がある方
血流が悪くなり、インプラント周囲炎などの炎症を起こしやすくなります。

7.定期的なメンテナンスが難しい方
術後のケアが不十分になると、長期的な維持が難しいとされています。

8.麻酔や手術に強い不安がある方
精神的にも身体的にも負担が大きく、手術が安全に行えないことがあります。

インプラント治療が難しい場合、ほかにどのような選択肢がありますか? インプラント治療が難しい場合には、歯の欠損を補うために入れ歯やブリッジなど、ほかの治療法を検討します。入れ歯には、すべての歯を補う総入れ歯と、一部の歯を補う部分入れ歯があります。
部分入れ歯は金属の留め具で残っている歯に固定する仕組みで、保険診療で費用を抑えられます。
ただし、金具をかける歯に負担がかかり、汚れが溜まりやすいといったデメリットもあります。一方ブリッジは、欠損部の両側にある健康な歯を削って支えにし、連結した被せ物で欠損部を補う方法です。見た目が自然で固定式のため違和感が少ない一方、支えとなる歯に負担がかかります。このように、患者さんのお口の状態や希望に応じた方法を歯科医師と相談しながら選択することが大切です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで、透析治療中でもインプラントは可能なのかについてお伝えしてきました。
透析治療中でもインプラントは可能なのか、要点をまとめると以下のとおりです。

インプラント治療とは、歯を失った部分に人工の歯根を埋め込み、それを土台に上部構造を取り付け、噛む機能や見た目を回復させる補綴(ほてつ)治療の一つ

透析治療を受けている方は、基本的にはインプラント治療は推奨されないが、ごく限られた条件下で検討されることもある

インプラント治療が難しい場合には、歯の欠損を補う入れ歯やブリッジなどの治療法を検討することになる

透析患者さんのインプラント治療には、感染や治癒遅延などのリスクが伴います。ほかの治療法も含めて、前向きに治療法を検討するためにも、正しい知識と歯科医師との相談を大切にしましょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師松浦 明歯科医師(医療法人 松栄会 まつうら歯科クリニック)

松浦 明歯科医師(医療法人 松栄会 まつうら歯科クリニック)

出身大学:福岡歯科大学 / 経歴:1989年福岡歯科大学 卒業1991年松浦明歯科医院 開院2020年医療法人松栄会まつうら歯科 理事長就任 / 資格:厚生労働省認定研修指導医日本口腔インプラント学会認定医ICOI (国際インプラント学会)Fellowship認定医 / 所属学会:ICOI(国際口腔インプラント学会)日本口腔インプラント学会日本臨床歯科学会(SJCD) 福岡支部 理事日本顎咬合学会 会員 日本臨床歯科CAD/CAM学会(JSCAD)会員

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