くも膜下出血を発症すると首が痛くなる原因
脳動脈瘤が破裂すると、脳を覆っている硬膜、くも膜、軟膜といった3層の膜構造のうち、くも膜下と呼ばれるスペースに出血が一気に広がっていきます。血液が広がると脳の中の圧力が急激に高まり、さらに一番外側で脳を覆っている硬膜という膜にまで強い圧力がかかった結果、広範な頭痛が生じます。
くも膜下出血はその性質から、非常に緊急性の高い疾患といえます。なぜなら破裂した脳動脈瘤の壁は非常に薄くなっているため、仮にいったん破れたところからの出血が止まっていたとしても、再び破れて出血してしまう危険性が高いのです。
再出血をきたすと致死率が劇的に跳ね上がってしまうため、緊急手術(開頭脳動脈瘤頸部クリッピング術や脳動脈瘤コイル塞栓術)で止血処置を行う必要があります。この緊急手術を行うことができる診療科が、脳神経外科です。
従って、突然の、今まで経験したことのないような強い頭痛を自覚した場合は、直ちに脳神経外科への受診を試みましょう。
「くも膜下出血の前兆・首」についてよくある質問
ここまで首に現れるくも膜下出血の前兆などを紹介しました。ここでは「くも膜下出血の前兆・首」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
首のこりや、肩こりはくも膜下出血とどのような関係がありますか?
佐々木 弘光医師
くも膜下出血の頭痛は首の後方に生じやすいため、首の凝りや肩凝りのような頭痛として自覚される場合もあります。ただ首や肩凝りは筋肉や皮膚などの表層で起きている現象なので、押したら痛い、ひねったら痛い、といった特徴を伴うことがあります。単純な首の傷みや肩凝りであれば対症療法や整形外科での治療も考えられます。
一方で、くも膜下出血の場合はそれらに関係なく、突然、そして頭の中で痛いと感じるような頭痛症状を自覚します。もちろん判断が難しくて不安な場合は、まずは頭痛外来や脳神経外科を受診してみましょう。
軽いくも膜下出血の前兆となる症状について教えてください。
佐々木 弘光医師
軽い症状の場合は首の後ろや肩凝りなどと似た頭痛として破裂の数日前などに自覚される場合もあります。その他、突然瞼が下がる、視力が落ちた、ものが二重に見える、といった多彩な症状を呈する場合もあります。また、他の脳神経疾患を発症している可能性もありますので、いずれにせよ早期の脳神経外科の受診をお勧めします。

