
地方の「交通空白」解消のために安全にこだわった電動モビリティを展開するBRJは、9月19日(金)より、電動三輪モビリティシェアリングサービス「TOCKLE」の実証実験を佐賀市で開始した。佐賀県内での電動三輪モビリティの展開は、今回が初となる。
安全に関する「TOCKLE」のこだわり
バスや鉄道は赤字や減便、さらに運転手不足で、「地方の足」は今、存亡の危機に立たされている。「TOCKLE」はこうした地方の「交通空白」の解消を目指している。
地方は都会と比べ交通量も少なく、道幅にも余裕があるため、安全に運用しやすいのも特徴。地域の課題解決、そして安全という2つの理由から、「TOCKLE」は地方での展開を中心としている。
また、「TOCKLE」はGPSで走行エリアを検知し、特定のエリアに入ると車両をストップさせる安全システム「ジオフェンシング機能」を搭載している。ジオフェンシングで設定する「侵入禁止エリア」は、自治体がその地方の実情に応じて、柔軟に設定することができる。
さらに、「TOCKLE」は、どの地域でも夜間の運用を一切、行っていない。電動モビリティ業界では「夜間こそ稼ぎ時」が常識となっている。終電を逃した人たちが、長距離の帰宅に用いるためだ。しかし、遅い時間帯だけに飲酒後に乗っている人々も少なからず存在しているのが、業界の実態だという。利益より安全が重要なのは言うまでもない。そこで夜間の運用を全面禁止としている。
佐賀市での「TOCKLE」利用時の安全対策
警察庁の発表によると、特定小型原動機付自転車関連事故の発生時間帯は、0:00~5:00台が68.8%を占めており、特定小型原動機付自転車に関連する交通違反の発生状況をみると、検挙件数の60%が通行区分違反、24%が信号無視となっているという。
これらの状況を鑑みて、佐賀市の実証実験では、SAGAアリーナ内など、危険性が高いことが想定される地域において「ジオフェンシング機能」設定している。
また、警察庁と共同で制作した「交通ルールテスト」をサービス利用前に受験し、100点を取らないと「TOCKLE」を利用することはできない。
そして、深夜の飲酒運転や交通事故を抑制するため、22:00~6:00は「TOCKLE」を利用できないようにし、安全性を確認しながら徐々に営業時間を拡大していく予定だという。
