NiziU・MAYA、初の絵本制作に手応え「私自身がぎゅっと詰まった作品」登場キャラの秘密も公開

NiziU・MAYA、初の絵本制作に手応え「私自身がぎゅっと詰まった作品」登場キャラの秘密も公開

 初の絵本『まっしろなちょうちょ』を刊行するMAYA。
初の絵本『まっしろなちょうちょ』を刊行するMAYA。 / 撮影:磯部正和

NiziUのメンバーとして活躍するMAYAが、自身初著書となる絵本『まっしろなちょうちょ』を12月24日に発売した。歌やダンスとは異なる表現方法で挑んだ本作のテーマは「自己肯定感」と「自分らしさ」。「自分は何色なんだろう?」と悩み、自分だけの色を探して旅に出る主人公・ナビの物語には、彼女自身の経験や5年にわたるメンバーとの絆が色濃く投影されている。新たな可能性を開花させた彼女が、作品に込めた温かな思いと、制作の裏側にある葛藤や喜びをたっぷりと語ってくれた。

■歌とダンスとは違う表現で見つけた、新しい挑戦
MAYA自身が文・絵を手掛けた絵本『まっしろなちょうちょ』。主人公は、真っ白な羽を持つ蝶の「ナビ」。周囲のカラフルな世界に憧れ、「自分は何色なんだろう?」と悩むナビが、自分だけの色を探して旅に出る物語だ。NiziUとしての活動や自身の経験を重ね合わせ、「ありのままの自分を愛すること」の大切さを優しく描く。子供だけでなく、日々を懸命に生きる大人の心にも寄り添う温かい一冊となっている。

――まずはこのお話を聞いた時の率直な思いと、絵本制作に臨んだ感想をお聞かせください

MAYA: もともと絵を描くことも、小説などを読むことも大好きだったので、今回こういう機会をいただけて本当に嬉しかったです。「歌とダンスをメインでやってきた私が、こういうチャレンジもできるんだ」という喜びがありました。これまでのパフォーマンスとは別の表現で思いを届ける形になるので、ドキドキはしていましたが、こうして形にして発売することができてすごく嬉しいです。

――Nizi Projectの時にも紙芝居を披露されていましたが、絵を描くことや物語を作る表現はずっとやりたかったことなのでしょうか

MAYA:そうですね。自分の感情やしたい表現を形にできる手段として、絵や文章を作ることは自分に合っているなとすごく思います。やっていることは歌やダンスとは別々ですが、「表現したい」という根本の部分は同じなんです。こうして新しい形で挑戦できたことが嬉しいですし、私の思いが詰まった作品が皆さんに届いたらいいなと思います。

――今回の絵本のテーマと、制作過程で感じたことを教えてください

MAYA: テーマは「自分の自己肯定感を高める」ことにしたくて。「ありのままの自分を愛していただきたい」「自分らしくいることは何なのか」というメッセージを一番伝えたかったです。

制作にあたっては、想像していたよりも大変な部分はありました。分かりやすい文章と絵だけで自分の伝えたいことを表現する難しさに一番苦戦しましたね。趣味でやっていたことが正式な作品になるという不安もありましたが、たくさんの方がサポートしてくださったり、いつも隣で作業している時にメンバーが応援してくれたりしたので、自信を持って進められました。

――どのような方にこの絵本を届けたいですか?
MAYA: 絵本はお子さんが読むイメージが強いかと思いますが、制作にあたって様々な絵本を読み返した時、大人になった今でも響く作品がたくさんありました。ですので、子供から大人まで、世代を問わずたくさんの方々に届いてほしいです。

■デビュー後の「冒険」と、こだわりの制作環境
――絵本ではナビが自分の色を探す冒険に出ますが、MAYAさんがデビュー後に「大きな冒険だな」と感じたことはありますか?

MAYA: 毎日が冒険ですね。デビューさせていただいてから、「慣れ」という言葉がないくらい、日々勉強と経験、成長を繰り返しています。その中でも、ファンの方々やメンバーとの出会いが一番大きいです。そうした出会いが私を強くしてくれましたし、ここまで来ることができた理由だと思っています。

――絵を描く際、画材や環境へのこだわりはありましたか?

MAYA: 最初は色鉛筆やクレヨンも考えたのですが、今回はiPadを使ってデジタルで描かせていただきました。韓国に行ったりツアーで各地を回ったりと移動が多かったので、常に持ち歩いてどこでもすぐに描けるようにしたかったのと、細かい表現がしやすかったからです。

特に大切にしたのは「色合い」です。はっきりとした原色ではなく、全体的に柔らかく、ふわっとした色合いに仕上げたかったんです。この絵本自体が、心温まるような優しい存在になってくれたら嬉しいなと思って描きました。

――MAYAさんの物語や絵のルーツはどこにあるのでしょうか?

MAYA: 昔は両親が共働きで一人の時間が多かったので、児童館や保育園で絵本が常に身近にあり、生活の一部でした。絵に関しては、兄が絵を習っていたので、その姿を見て「私も描いてみよう」と真似したりしていましたね。当時は自分が描きたいように自由に描いていて、今見ると何を描いているか分からないものもありますが(笑)、両親がそれを気に入ってくれていて嬉しかったです。
【写真】初の絵本『まっしろなちょうちょ』を刊行するMAYA。
【写真】初の絵本『まっしろなちょうちょ』を刊行するMAYA。 / 撮影:磯部正和

■あえて“余白”を残したエンディングと「自分らしさ」

――MAYAさんご自身は、物語を読むときハッピーエンドがお好きですか? それとも意外な結末がお好きですか?

MAYA: 私は、考察する余白があるエンディングが好きです。「めでたしめでたし」と終わるより、「これから何が待っているか分からない」といった終わり方で、その後の展開を想像する時間がすごく好きですね。今回の絵本でも、最後は主人公のナビがまた旅に出る形で終わらせました。その後の物語は、読んでいただいた皆さんに「ナビが今後どんな色になるのか」「どんな自分になっていくのか」を考えていただきたくて、あえて決めずに終わらせています。

――主人公のナビは、MAYAさんご自身と重なる部分はありますか?

MAYA: そうですね。以前、自分が選んだ道が正解なのか分からなくなったり、「私って何色なんだろう、本当は何が好きなんだろう」と悩んでしまったりした時期がありました。でも今思えば、それも自分らしくいることの大切さを知るための良い経験だったなと感じています。ナビは私の分身のような、近い部分がある存在です。デザインも、何度もいろんな羽の形を描いて試行錯誤して、あの丸みを帯びた可愛い蝶々になりました。

――Nizi Projectの時から「母性」のイメージがあるMAYAさんですが、ご自身ではどう感じていますか?

MAYA: よく「お母さん」と言われますし、メンバーにお節介を焼いてしまうこともあるので、そう見えるのかなとは思います。でも、本当はおちゃめなことが大好きで、ふざけるのも好きなんです。デビュー当時は「お姉さんだし、しっかりしなきゃ」という気持ちが強くて葛藤もありましたが、最近はメンバーが「そのままでいいんだよ」と言ってくれるので、「あ、もう肩の荷を下ろしていいのかな」と思えるようになりました。しっかりした部分もおちゃめな部分も、どちらも自分らしいなと思えるようになっています。

■メンバーは心の支え。キャラクターのモデルは…?
――お仕事が多忙な中で、MAYAさんが自分らしくいるために大切にしていることは何ですか?

MAYA: いっぱいっぱいになってしまう前に気づいてくれる、メンバーの存在が本当に大きいです。私が気づかない間に心がすり減っていても、メンバーが「最近大丈夫?」と声をかけてくれて、話を聞いてくれるんです。最近もホールツアー中に少し心が疲れてしまった時があったのですが、メンバーがぎゅっと手を握ってくれたぬくもりだけで「こんなに愛を感じるんだ」「いてくれてありがとう」と救われました。私にとってのメンバーのような存在に、この絵本がなってくれたら嬉しいですね。

――ちなみに、作中に登場する他のキャラクターにはモデルがいるのでしょうか?

MAYA: 実は、他のキャラクターたちはNiziUのメンバーをモデルにしていることが多いんです。ナビの心に新しい感情が芽生えていく過程で、メンバーそれぞれからもらった感情や影響を、キャラクターの形や色、大きさの違いで表現したいなと思って。

――それは読んでいて想像するのが楽しいですね! 猫なども、実はメンバーの誰かだったり?

MAYA: そうなんです(笑)。まだメンバーにも「みんなが出てくるよ」とは言っていないので、このインタビューを読んだらバレちゃうかもしれません。

――最後に、楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします

MAYA: 今回初めて絵本制作に挑戦させていただきましたが、皆さんの心に届くストーリーになっていると思います。私自身がぎゅっと詰まった作品ですので、子供から大人までたくさんの方に読んでいただいて、ほっこりした気持ちになってもらえたら嬉しいです。今回の制作を通して、パフォーマンスだけではない自分の表現の場所があるんだという新たな発見もありました。これからもいろんな形で自分を表現できる場所を増やしていけたらいいなと思います。

NiziU MAYAの初著書『まっしろなちょうちょ』(税込1,980円/KADOKAWA刊)は現在発売中。

◉インタビュー、文、写真=磯部正和
『まっしろなちょうちょ』書影
『まっしろなちょうちょ』書影

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