自覚症状が出にくいがん「腹膜腫瘍」の特徴を医師が解説

自覚症状が出にくいがん「腹膜腫瘍」の特徴を医師が解説

岡本 彩那

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)

兵庫医科大学医学部医学科卒業後、沖縄県浦添総合病院にて2年間研修 / 兵庫医科大学救命センターで3年半三次救命に従事、近大病院消化器内科にて勤務 /その後、現在は淀川キリスト教病院消化器内科に勤務 / 専門は消化器内科胆膵分野

腹膜腫瘍の概要

腹膜とは腹部の内臓を包む膜のことで、腹膜に生じた腫瘍を総称して「腹膜腫瘍」といいます。腹膜腫瘍の代表的なものとしては、腹膜中皮腫、腹膜がんが挙げられます。

腹膜中皮腫は、腹膜を構成している中皮細胞ががん化する病気です。腹膜がんとは異なるがんで、アスベスト(石綿)に曝露されることが主な原因とされています。

腹膜がんは、腹膜から発生するがんです。
非常に珍しいがんで、人口10万人あたり6人未満しか診断されません。
男性よりも女性に多く見られ、特に60代以降の方に発症が多い事が特徴です。

お腹の中にがんの広がりがみられるものの、卵巣や卵管などが原発でなく、漿液性がん(しょうえきせいがん)である場合に「腹膜がん」と診断されます。腹膜がんは卵巣がんや卵管がんと似た性質を持ち、その治療法も非常に似ています。

進行するまで症状が現れにくく、初期段階では自覚しにくいことが多くあります。

腹膜腫瘍の原因

腹膜腫瘍の原因は、腹膜中皮腫と腹膜がんで大きく異なります。

腹膜中皮腫の原因

腹膜中皮腫の主な原因は長期間にわたるアスベストへの曝露だと考えられています。アスベストへの曝露が原因となるケースは30〜50%程と言われています。

アスベストにさらされると、体の中で酸素の不安定な分子が発生し、これがDNAを傷つけ、最終的にがんを引き起こすと考えられています。
また、アスベストが炎症を引き起こすことで細胞の成長を促進し、がんの発生を助けることも要因のひとつです。
アスベストにさらされてからがんが発症するまでの期間は、約20年とされています。

腹膜がんの原因

腹膜がんの原因は完全には解明されていません。

BRCA1やBRCA2などの遺伝子に変異のある方(HBOC:遺伝性乳がん・卵巣がん)は、さまざまながんを発症するリスクが高く、そのうちの一つとして腹膜がんのリスクも高まると考えられます。

腹膜がんの多くは「漿液性腺がん(しょうえきせいせんがん)」というタイプです。このがんは主に腹膜の表面に発生します。卵巣がんや卵管がんでも漿液性腺がんが発生します。
漿液性腺がんのうち、腹膜がんが占める割合は10%から20%と言われています。

なお最近の研究では、漿液性腺がんの多くが卵管から発生していると言われています。

配信元: Medical DOC

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