自覚症状が出にくいがん「腹膜腫瘍」の特徴を医師が解説

自覚症状が出にくいがん「腹膜腫瘍」の特徴を医師が解説

腹膜腫瘍の治療

腹膜中皮腫と腹膜がんでは、それぞれに応じた最適な治療法が検討されます。

腹膜中皮腫の治療

腹膜中皮腫は完治が難しく、手術や放射線治療だけでは十分な効果が期待できないことが多くあります。
主な治療方法は抗がん剤を使った化学療法です。
ただし現時点で悪性腹膜中皮腫にのみ承認されている抗がん剤はないため、悪性胸膜中皮腫で承認されている薬を組み合わせて使用する化学療法が一般的です。

腹膜がんの治療

腹膜がんは卵巣がんや卵管がんと同じ治療を行うことが一般的です。治療の基本は外科手術と抗がん剤です。

手術は、腹膜がんの診断を確定し、できる限り腫瘍を取り除くために行います。

しかし、腹膜がんが進行していて手術で完全に摘出することが難しい場合や、全身状態が不良の場合、重篤な合併症がある場合などは、手術ができないこともあります。このような場合は、先に化学療法(抗がん剤治療)を行った後、手術を検討します。

手術の方法は開腹術または腹腔鏡手術です。腹腔内を観察し、子宮や両側の卵巣と卵管、必要に応じて骨盤や傍大動脈のリンパ節、大網という組織を取り除きます。
また、腹腔内に広がった腫瘍もできる限り取り除き、手術の後には抗がん剤治療を行います。

腹膜腫瘍になりやすい人・予防の方法

腹膜中皮腫と腹膜がんでは原因が違うため、予防方法も異なります。

腹膜中皮腫の予防

腹膜中皮腫の多くは、アスベストの曝露が原因と考えられています。
アスベストは、非常に細かい繊維でできた鉱物で、空気中に浮かんでいるときに吸い込まれると、肺の深い部分にまで達することがあります。そして、一度吸い込まれた繊維は、体内で分解されにくいため、長い期間体の中に留まることになります。

職業上アスベストの取り扱いがある場合は、吸引することがないよう防じんマスクを正しく装着することが予防につながります。

腹膜がんの予防

腹膜がんが発症する詳しいメカニズムは分かっていないため、確実な予防法も現在のところ見つかっていません。ただし、腹膜がんに限らず、タバコはがんのリスクを大幅に高めるため、控えるようにしてください。

食生活では、塩分の多い食品は控えめにし、バランスの良い食生活を心がけましょう。
また、適正体重の維持や適度な運動、定期的な検診も重要です。


関連する病気

卵巣がん卵管がん

胸膜中皮腫

心膜中皮腫

精巣鞘膜中皮腫


参考文献

腹膜とは | 京阪PDネットワーク

腹膜がん:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

悪性腹膜中皮腫 | 希少がんセンター

日本石綿・中皮腫学会腹膜中皮腫について

日本婦人科腫瘍学会第 5 章 ■ 腹膜癌・卵管癌

卵巣がん・卵管がん 全ページ:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

がんを防ぐための新12か条 – 日本対がん協会

配信元: Medical DOC

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