【訃報】「ジャンボ尾崎」こと尾崎将司さん 『S字結腸がん』の初期症状・原因を医師が解説

【訃報】「ジャンボ尾崎」こと尾崎将司さん 『S字結腸がん』の初期症状・原因を医師が解説

プロゴルフ選手として活躍した「ジャンボ尾﨑」こと尾崎将司さんが「S状結腸がん」で亡くなったと報じられています。78歳でした。そこで、S字結腸を含む結腸がんと大腸がんの違い、結腸がんの症状やなりやすい人、手術・予後について医師の竹内先生に解説してもらいました。

竹内 想

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

結腸がんの特徴

体調不良の女性

結腸がんの特徴を教えてください。

大腸の中でも、結腸(盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸)にがん細胞が発生するものを結腸がんと呼びます。発症して間もないうちには自覚症状がみられないことが特徴です。
病気の進行に伴って、次第に便通の異常などが現れます。特に日本人の場合は、結腸の中でもS状結腸での発症が多いです。
病気が進行すれば、がん細胞がリンパ節に転移したり他の臓器に遠隔転移したりすることも可能性も考えられます。がん細胞が腹腔内のあらゆる場所へ散らばって転移する「腹膜播種」が引き起こされることもあります。

大腸がんとはどのように違うのでしょうか?

まず大腸は、肛門から離れた部分から順に結腸と直腸に分けられています。
結腸は右下の盲腸から始まり、さらに4つの部位に分けられています。ご自身のお腹の右側を縦に走るのが上行結腸、つまり上に向かう部分です。そして、へその上あたりを横に走るのが横行結腸です。さらに、腹部の左側を下るように走る部分を下行結腸といいます。最後に、下行結腸と直腸の間のカーブしている部分がS状結腸です。
大腸がんは大腸に発症するがんのことですので、結腸がんは大腸がんの中に含まれます。

結腸がんにはどのような症状がみられますか?

発症して間もないうちは、自覚症状がみられないことがほとんどです。しかし、病気がある程度進行すると自覚できるような症状が現れてきます。結腸がんの主な自覚症状としては、以下のようなものが挙げられます。

便に血が混じったり便に血が付着したりする

便秘

下痢

便が以前よりも細くなる

残便感がある

お腹が張る

身体が酷く疲れやすくなる

これらの症状は、結腸がん以外でも現れることがあるため、受診せずに放置してしまいがちです。しかし、さらに病気が進行した場合、便の通り道が塞がる「腸閉塞」という状態が引き起こされ、腹痛や嘔吐などの症状もみられるようになります。病気を早期発見・早期治療するためにも、便に普段と変った様子がみられるようであれば、早めに医療機関を受診することが大切です。

発症する原因を教えてください。

結腸がんや直腸がんといった大腸がんは、生活習慣が発症原因の1つといわれています。例えば、以下のような生活習慣が発症リスクに関連しているといわれています。

喫煙

飲酒

肥満

加工肉や赤身肉の摂りすぎ(女性に多い)

運動不足

これらの生活習慣により必ず結腸がんが発症するというわけではありません。しかし、大腸がんの発症リスクを高める要因となりますので、思い当たる方は一度検査を受けることをおすすめします。

結腸がんになりやすいのはどのような方でしょうか?

先にお伝えした生活習慣以外にも、発症リスクが高くなるのは以下のような方です。

50歳以上の方

大腸がんの家族歴がある方

結腸に良性のポリープがある方

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患を患っている方

家族性や遺伝性大腸疾患などの遺伝的素因がある方

特に、大腸がんには家族歴が関連しているといわれていますので、家族に結腸がん・直腸がん・大腸疾患などを患っている方がいる場合には注意しましょう。
また、過去に結腸に良性のポリープが見つかった方は、ポリープが「がん化」するケースもあります。定期的に大腸の検査を受けるようにしてください。

結腸がんの手術

問診表を書く医師

受診を検討するべき初期症状はありますか?

繰り返しになりますが、初期の段階では自覚症状がみられないことがほとんどです。
しかし、便通に違和感を感じるようであれば、一度受診することをおすすめします。例えば、結腸がんの特徴的な症状として、便に血が混じったり便に血が付着したりすることがあります。
また、それ以外にも便秘や下痢といった症状も特徴的です。
これらの症状はある程度病気が進行してから現れることが一般的ですが、気づいた段階で受診できれば病気の早期発見に繋がるでしょう。便に血が付着することは「痔」の特徴的な症状でもあります。
また、生活習慣によって下痢や便秘になることも考えられるため、受診せずに放置してしまう方も多いです。気付かないうちに病気が進行してしまうことも考えられるため、普段と少し違うと感じる場合には検査を受けてみると安心です。

どのような検査で結腸がんと診断されますか?

結腸がんの診断には主に以下のような検査が用いられます。

問診

注腸検査

大腸内視鏡検査

CT検査

MRI検査

PET検査

腫瘍マーカー検査

まずは、受診に至るまでの気になる症状・生活習慣・既往歴・家族歴などのヒアリングを行います。注腸検査や大腸内視鏡検査で、大腸を詳しく検査していきます。
注腸検査はバリウムを大腸に注入してレントゲンを撮影する検査です。この検査により、腫瘍の位置や大きさなどを確認できます。
大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸内部の状態を調べる検査です。ポリープなどが発見された場合、その部分を採取して組織を詳しく検査する「生検」を行うこともあります。
がんが疑われる場合には、CT検査やMRI検査にて、がん細胞の広がり方や転移の有無を確認します。
その他、放射性フッ素を付加したブドウ糖を用いたPET検査では全身への遠隔転移を調べることが可能です。さらに、血液や尿を用いた腫瘍マーカー検査を他の検査と併せて行うこともあります。

治療方法を教えてください。

早期に結腸がんが発見でき、がんが粘膜の浅い部分にとどまっている場合には、内視鏡での治療も可能です。
しかし、腫瘍が深くまで達している・腫瘍が大きく内視鏡で切除できない・リンパ節転移の可能性がある場合などには、手術の適用となります。一般的には腹腔鏡手術が行われますが、腫瘍の状態によっては開腹手術を行うこともあります。例えば、がんが他の臓器まで達している場合などです。
そのような場合には、開腹手術によってがん細胞を切除します。

結腸がんの手術について教えてください。

結腸がんの手術では、がん細胞の周囲にあるリンパ節も併せて切除することが一般的です。
具体的には、がん細胞のある部分から10cm程度余裕を持たせて腸管を切除しなくてはなりません。そのため、がんの部位や大きさによって、「どの程度腸管を切除する必要があるか」が異なります。
もしも、がんが発生した部分を切除できない場合には、便が流れる管を新たに作るバイパス手術や人工肛門を作る手術を行うケースもあります。

配信元: Medical DOC

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