「姉の家に弟が?」育児放棄された姉弟の再会、心が通い合う感動の物語に「ひぃ~ひぃ~泣けるぅ〜」「いい話だった」の声【作者に聞く】

「姉の家に弟が?」育児放棄された姉弟の再会、心が通い合う感動の物語に「ひぃ~ひぃ~泣けるぅ〜」「いい話だった」の声【作者に聞く】

弟がいると知ると、世界が変わって見えた!

「私に弟がいた!!」主人公の恵(めぐむ)は、家の押し入れで1枚の写真を見つける。その古びた写真には離婚した両親と、幼い自分、そして弟が写っていた。弟がいることに大喜びした恵は、写真の裏に記された住所を元に、弟に会いに行く。しかし、そこで彼女を待っていたのは、想像を絶する悲惨な現実だった。


■「弟、かわいかった」姉が流した大粒の涙
弟のことを覚えていなかった姉と、姉のことを覚えていた弟
毒のこども_P03
毒のこども_P04


学校帰りに友達と訪ねたアパートの一室は、まるでゴミ屋敷だった。育児放棄されて学校にも通っていないであろう弟が痩せ細った姿でドアを開け、その奥にはだるそうに寝そべっている女性の姿が…。恵は言葉を失った。友達が「やばいって、ちょっと…帰ろう。これは無理」と促す。ドアを閉められたあとも恵は「弟…かわいかった」と大粒の涙を流しながら絞り出すように言うのだった。恵はそのまま帰ることができなかった。今帰ってしまえば、もう二度と“お姉ちゃん”だと名乗れない気がしたからだ。

本作のタイトルは『毒のこども』。作者は、2017年冬期のゲッサン新人賞や2021年5月期の新世代サンデー賞で佳作受賞の経歴を持つ漫画家・墨染清さん(@sumizomesei)だ。2024年12月まで『DLsite comipo』で『強がりユキヒト君はデレたくないのに』を連載していた。墨染さんに本作について話を聞いた。

■「負の歴史の象徴」…弟の記憶を避けていた姉

恵は弟の存在について友達に「さっぱり覚えてない」と笑っていたが、本当は覚えていたのか尋ねると、墨染さんは「恵は弟のことを忘れていたわけではなく、考えないようにしていただけです。“弟の記憶=自分の負の歴史の象徴”だったため、普段明るくふるまっている彼女は、その話題に触れようとしませんでした。誰かに話すことも、自分で思い出すことも避けていたのです」と解説した。

本作も含めて作品の9割が埼玉県を舞台にしている理由を尋ねると、「埼玉県が好きだからです。一度も訪れたことがないのに、なぜか惹かれるものがあります。東京ほど人が多すぎず、かといって田舎でもなく、適度ににぎわいがありながらも穏やかな空気が流れていそう…。そんなイメージが私の中で定着しており、それが私の描きたい世界観とぴったり合うため、自然と埼玉を舞台にすることが多くなりました。いつか必ず埼玉県を訪れて、本場の空気を味わいたいと思っています!」と語った。

■「ひぃ~ひぃ~泣けるぅ〜」読者の声と作品に込めた思い

本作について読者からは、「いい話でした」「ただ一言お姉ちゃんに『よく頑張ったね』って言ってあげたい」「ひぃ~ひぃ~泣けるぅ〜」といった感想のほか、ラストのシーンについて「4つなんだ、ケーキ」「4つか、そっか」という感想も寄せられた。最後の展開まで、この姉弟の心の動きを温かい目で見守り、読み進めてほしい。


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