刺さない「血糖値測定器リブレ」の”数値は正確”なのか?医師が効果や費用を解説!

刺さない「血糖値測定器リブレ」の”数値は正確”なのか?医師が効果や費用を解説!

針を刺さずに血糖値が測定できるリブレ(フリースタイルリブレ)についてご存知ですか?メディカルドック監修医が使い方や費用、特徴を詳しく解説します。

伊藤 陽子

監修医師:
伊藤 陽子(医師)

浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

血糖値測定器のリブレ(フリースタイルリブレ)とは

持続血糖測定器(CGM)は、皮膚に穿刺したセンサーにより、間質液中の糖濃度を連続して測定することで血糖値を推定することができる医療機器のことです。このCGMで血糖値の変動を連続的に可視化することができるようになり、今までの自己血糖測定(SMBG)では見逃されていた、夜間や早朝の低血糖や食直後の高血糖、血糖値の上下の変化をモニターすることができるようになりました。このCGMの中でAbbott社のリブレ(フリースタイルリブレ)®が代表的な商品となります。今回はCGMについて、特にリブレ®についてを中心に解説していきます。

持続血糖測定器(CGM)の仕組み

前述のようにCGMは、24時間の血糖推移をみることができるデバイスです。CGMは、センサーの中に含まれるグルコースオキシダーゼという酵素を間質液中のグルコースと反応させて微弱な電流が発生します。この電流の強さを測定し、血糖値を計算しています。この測定値と実際の血糖値の間には乖離が生じることが知られており、SMBGの測定値を利用してこの乖離を補正したり、アルゴリズムを利用した補正を行っているのです。

リブレは針なしで血糖値が測れるって本当?

リブレ®は、最初に装着する際に細く柔らかい針(センサーフィラメント)を皮下組織に留置して、間質液中の糖濃度を測定します。最初にフィラメントを皮下組織に留置する際に、細い針で皮膚を穿刺しますが、その後すぐに抜き取ります。このため、柔らかい針のみ皮膚に刺さっている状態となるのです。正確には針がないわけではありませんが、最初に穿刺をした後は何度も針を刺すことなく最長14日間の血糖値測定をすることができます。

血糖値測定器リブレの使い方

今回は最新機種であるFreeStyleリブレ2®について中心にリブレの使い方の解説をいたします。

リブレの装着方法(センサーの取り付け・外し方)

リブレ2®の装着方法としては、以下の様になっています。
1.センサーパックのフタを外し、センサーアプリケーターのキャップを回して外す。
2.センサーパックの黒線マークにセンサーアプリケーターの黒線マークを合わせる。
3.テーブルなど平らで硬い場所の上でセンサーアプリケーターを上からセンサーパックに強く止まるまで押し下げる。
4.センサーパックからアプリケーターを取り外す。
5.装着部位を消毒し、乾かす
6.アプリケーターを消毒した部位において、クリック音がするまで押し上げる。
7.アプリケーターをそっと引き離す。
8.センサーを上から押しつけて、正しく張り付いているか確認をする。

センサーの取り外し方は、以下の様になります。
1. ウエットティッシュやベビーオイルをしみ込ませた脱脂綿をセンサーの外側にこすりつける。
2. センサーを皮膚に固定している粘着剤の端からゆっくりと一気にはがす。
3. 新しいセンサーを付ける場合には、別の部位を選択する。

スマホや専用測定器での血糖値の読み取り

フリースタイルリブレ2®をスマホを用いて血糖値のデータを取り込むには、専用の「FreeStyleリブレLink」をインストールし、アカウントを作成し登録する必要があります。センサーを正しく取り付けたら、FreeStyleリブレLinkアプリを開いて「(iOSの場合)新しいセンサーをスキャン」をタップした後にセンサーに近づけてスキャンしましょう。その後センサーの起動が完了するまで待つと、グルコース測定値をスマホ画面で確認することができます。
リブレ2では、専用のアプリを用いると、1分毎に自動的に血糖値を更新して表示されます。

リブレでは1日何回まで血糖値を測定できる?

前述したように、リブレ2®では1分毎にグルコース測定値が更新して表示されます。そのため、何回まで測定ということはなく1分毎更新していくグルコース測定値をリアルタイムにスマホ画面で確認することができるのです。
旧型モデルであるリブレ®ではスマホをセンサーに近づけて何度でもグルコース濃度を測定することができ、8時間前までさかのぼってのグルコース濃度の推移を知ることができます。しかし、8時間以上スキャンがされていないとその間のグルコール濃度が分からなくなってしまいます。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。