日本弁護士連合会(日弁連)は12月24日、法制審議会刑事法(再審関係)部会の審議の進め方について、「審議の公正性、中立性を歪めるもので、深刻な懸念を禁じ得ない」とする会長声明を発表した(声明は18日付け)。えん罪被害者救済のための再審法改正が、かえって救済を困難にする改悪になりかねないと批判している。
声明によると、12月16日の部会で示された「今後の議論のための検討資料」は、委員・幹事への事前提示や意見聴取を経ず、先に報道機関に配布・説明されていた。また、部会で意見の一致を見ていない論点について特定の方向性を示したり、審議対象とされた論点の多くが検討項目から除外されるなど、恣意的な内容だったという。
●「えん罪を晴らすための手段が十分に保障されないまま」検討資料の内容について日弁連は、審判開始決定がなければ証拠開示や事実取調べができず、書面審理のみで再審事由の有無を判断するとされている点を問題視。
過去のえん罪事件では、再審請求後に新たに開示された証拠や新たな鑑定等が再審開始・再審無罪を導くことが多いが、声明では「このような内容が立法化された場合、再審請求人には自らのえん罪を晴らすための手段が十分に保障されないまま、書面審理のみで再審請求が速やかに棄却される事例が増えることが懸念される」と指摘した。
一方、日弁連が意見書で表明した再審開始事由の明確化や国選弁護制度などの点は、理由も示されないまま検討項目から除外されているという。
日弁連は、「再審部会は、もはやえん罪被害者の速やかな救済を図るための再審法改正を審議する場とはなっていない」と厳しく批判。衆議院に提出されている「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」を速やかに審議、可決するよう強く求めている。

