息苦しさが続くときに 「がん性胸膜炎」の特徴と受診の目安を医師が解説

息苦しさが続くときに 「がん性胸膜炎」の特徴と受診の目安を医師が解説

がん性胸膜炎の前兆や初期症状について

がん性胸膜炎の主症状は呼吸困難です。胸腔内に胸水が溜まることで肺が圧迫され、十分な呼吸ができなくなることで出現します。

初期段階では軽い息切れ程度で経過する場合もありますが、胸水の量が多くなると症状は徐々に強くなります。胸痛も症状の一つです。 チクチクあるいはピリピリした痛みとして感じられる点が特徴で、片肺のみに現れる傾向があります。その他の症状として、咳が出たり発熱や倦怠感が現れたりなど、全身的な症状が出現することもあります。

これらの症状は胸膜炎特有の症状ではなく、他の疾患でも現れることが多いため、少しでも症状を感じた際はできるだけ早く医療機関を受診しましょう。

がんで治療中の場合には定期的な受診によるフォローアップで慎重な経過観察が求められます。

がん性胸膜炎の検査・診断

がん性胸膜炎の診断は、X線検査やCT検査などの画像検査を中心におこないます。これらの画像検査では胸水貯留の有無や程度などを確認できます。

肺がんに起因するがん性胸膜炎の場合、これらの胸部の画像検査によってがんの浸潤範囲や程度も調べられます。また、胸腔穿刺(きょうくうせんし)による胸水の採取もおこないます。

これは胸部に局所麻酔をして細い針を刺し、胸水を採取するもので、採取した胸水の性状やがん細胞の有無などを分析し確定診断に役立てます。

必要に応じて胸膜生検を実施することもあります。これは胸膜の組織の一部を採取して顕微鏡で調べる検査です。

呼吸音の聴診では胸水が溜まっている場合、貯留部の呼吸が弱くなることが特徴的です。

配信元: Medical DOC

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