性行為後に出血がある場合の妊娠の可能性
性行為後の出血は、着床出血の可能性もあります。着床出血とは受精卵が子宮内膜に着床するときに出る少量の血のことです。着床出血は妊娠4週目頃に起き、生理予定日と被ることも珍しくありません。着床出血の特徴は以下のとおりです。
血の色:ピンク・茶色・鮮血色
出血量:少ない(レバーのような塊もない)
出血期間:1~2日(長くても4日頃までには止まる)
腹痛:チクチクとした軽い痛み
妊娠したサインは着床出血だけではありません。
・いつもより体温が高く感じる
・眠たい
・お腹が張る
・おりものの量や色がいつもと違う
・気持ち悪い
上記の症状がひとつでも当てはまる場合は、着床出血の可能性が高いです。妊娠検査薬は生理予定日1週間後から使用できるので、検査までは念のためタバコ・お酒・激しい運動を控えながら過ごしましょう。
性行為後に出血がある場合に病院に行く目安
続いて、性行為後に出血した場合の病院へ行く目安を紹介します。病院へ行く目安を覚えておると、危険信号を見逃さずに済みます。また、基本的に不正出血が出た場合は目安の症状がなくても受診することがおすすめです。
出血量が多い
性行為後の出血の量が多い場合は、性行為により腟壁が傷ついている可能性があります。動脈が傷ついている場合は縫わないと止血できません。単に性行為による出血だと放置すると危険な場合もあるため、出血量が多いときはすぐに受診しましょう。また、出血量が多いときは貧血を起こしめまいの症状が起きることもあります。ふらつく・倒れる可能性もあるため、受診するまでは安静に過ごしましょう。
なかなか出血が止まらない
不正出血や性行為後の出血を受診する目安は、2週間ほどといわれています。しかし、腟の外傷が原因の場合の出血は2日程度で止まります。不正出血・性行為後の出血は病気のサインかもしれないので、3日過ぎても止まらないようであれば早めに受診したほうがよいです。
痛みが強い
性行為後に強い痛みとともに出血がある場合は、卵巣出血の可能性もあります。卵巣出血が原因で出血している場合、腹部の広範囲に炎症が広がっているので、歩くだけで強い痛みを感じます。大量の出血が起きた場合、手術による止血をしなくてはいけないため、すぐに受診してください。また、子宮内膜症 を発症している可能性もあります。子宮内膜症は陣痛のような痛みや不正出血が起き、不妊になるかもしれません。治療せずに放置すると卵巣がんを引き起こすこともあるので早めに受診してください。
性行為のたびに出血がある
性行為のたびに出血がある場合は、以下の病気が関与している可能性があります。
・子宮頸部びらん
・子宮頸管ポリープ
・子宮筋腫
・子宮頸がん
・子宮体がん
・卵巣出血
上記のほかにも出血を伴う病気のサインかもしれません。性行為やスポーツだけで度々出血する場合 は、身体が通常の状態ではないので早めの検査が必要です。また、出血が数日経過しても止まらない場合は子宮頸がん・子宮体がんが進行している可能性もあります。一方で、腟萎縮や緊張により腟内が十分に濡れていないことで性行為後に出血が起きることもあります。その場合は潤滑ゼリーを使用することで出血を防ぐことが可能です。
おりものに変化がある
性行為後の出血に加え、おりものに変化がある場合は淋菌・クラミジア感染症・トリコモナス腟炎などの性感染症が原因かもしれません。淋菌やクラミジア感染症は症状が進行するとおりものの色が膿のような黄色や黄緑色に変化します。トリコモナス腟炎は症状が進行すると、おりものの色が黄緑色で泡状になり、生臭い匂いに変化します。性感染症は気付かぬうちに周囲に感染する可能性もあるため、違和感を覚えたらすぐに受診してください。性感染症を放置すると、腟炎・子宮頸管炎・不妊症につながる場合もあります。なお、妊娠中であれば、早産・流産のリスクが高まる可能性もあります。
出血以外にも症状がある
出血以外におりものの変化・痛み・発熱などの症状がある場合は早めに受診しましょう。おりものの匂いや量に変化がある場合は性感染症の可能性があります。また、痛みが伴う場合は子宮内膜症や卵巣出血かもしれません。発熱や倦怠感があるなら妊娠による着床出血の可能性もあります。ほかにも病気や身体の異変が関係しているかもしれないので放置しないようにする必要があります。

