2026年4月から始まる離婚後の選択的共同親権の導入を受けて、日本弁護士連合会(渕上玲子会長)は、家庭裁判所の負担が増す可能性を懸念し、弁護士会の「家事ADR」(裁判外紛争解決手続)の活用を進める方針を示した。
●渕上玲子会長「大きな波が家庭裁判所に」
12月24日の日弁連定例会見で、渕上会長は「過去に離婚して単独親権になった方も再び共同親権を求める調停審判を起こすことができることから、そこで大きな波が家庭裁判所に行くのではないかと思っております」と指摘。人的・物的基盤が不十分と指摘される家裁のさらなる機能低下を招くことを懸念した。
そこで、最高裁や法務省の協力も受けながら、日弁連や各地の弁護士会による「家事ADR」の取り組みを推進するという。
スピーディーで柔軟な解決を目指す家事ADRで取り上げるべき事案について、渕上会長は「深刻な内容は家裁に委ねることになるが、共同親権後の進路設定、あるいはそれ以外のさまざまな面会交流等のあり方等についてのこまごまとしたものをスピードを持って解決できる」などと説明した。
●激しく対立する事案は家庭裁判所へ
家事ADRで扱うべき事案と、扱いにくい事案の線引きについて、日弁連副会長の水田美由紀弁護士は、基本的に扱えない事件はないとしつつ、たとえば「親権をどうするかについて争いがある場合」など、当事者間で激しく対立する事案や、家庭裁判所の調査官による調査のような詳しい手続が必要とされる事案については、家事ADRの場で解決することは現実的に難しいのではないかとした。
だからといって、難しい事案を家事ADRに持ち込まないとするのではなく、「家族の困りごとがあればまずは、家事ADRの場に持ってきてもらい、家庭裁判所で扱うべき事案はそちらに紹介する」と振り分け機能も果たせるのではないかと語った。

