気管支嚢胞の前兆や初期症状について
気管支嚢胞は、多くの場合無症状のまま、健診などの機会に偶然発見されます。
嚢胞の大きさ、位置、進行状況によって症状は変化し、乳幼児期、幼児期、成人でそれぞれ以下のような症状が現れることがあります。
乳幼児期(0~1歳頃)
乳幼児期では、気管支嚢胞が大きくなり気道を圧迫することで、呼吸が苦しそうなゼイゼイ音(喘鳴)や呼吸困難が起こります。
唇や指先が青紫色になるチアノーゼも見られることがあります。
症状は急速に悪化することもあるため、早めの医師の診察が重要です。
幼児期(1~5歳頃)
幼児期以降になり、嚢胞が感染を起こすと、肺炎により発熱し、痰が増えることがあります。
嚢胞が周囲の組織を圧迫すると、呼吸がしづらくなったり咳がでる場合もあります。
症状が出たり治まったりを繰り返すことがあるため、経過観察が必要です。
成人期(18歳以上)
成人期では、気管支嚢胞が無症状のまま発見されるケースも多いですが、嚢胞が拡大すると胸の痛み、息切れ、呼吸困難などの症状が出ることがあります。
嚢胞に細菌感染が起きると、発熱や咳などの炎症症状が現れます。
非常にまれですが、嚢胞が悪性腫瘍に進行するリスクもあるため、注意が必要です。
気管支嚢胞の検査・診断
気管支嚢胞の診断は、画像検査を用いて行われ、主な検査は胸部X線検査とCT検査、MRI検査です。
診断の過程では、単に画像検査だけでなく、患者の症状である喘鳴、呼吸障害、感染症の兆候などは、診断を行う上で重要な情報です。
胸部X線検査
胸部X線検査は嚢胞の基本的な位置とサイズを確認する最初のステップとして重要な役割を果たします。
CT検査
CT検査では、より詳細な画像情報が得られるため、嚢胞の正確な形状や周囲組織との関係性を評価できます。
MRI検査
MRI検査は、CT検査と併用されることが多く、嚢胞の内容物や壁の特性をさらに詳細に評価します。頸部に発生する嚢胞の場合は、他の頸部腫瘤との鑑別が重要となるため、MRIが診断に貢献します。
超音波検査
妊婦検診の超音波検査によって胎児の段階で嚢胞が発見されるケースもあり、早期発見の可能性を広げています。

