災害ごみの種類・分別・搬出など対策・ポイントを学び、適切に処分を

災害ごみの種類・分別・搬出など対策・ポイントを学び、適切に処分を

写真:PIXTA

地震や台風などの災害に襲われた後に出る、大量の災害ごみ(災害廃棄物)が問題となっています。

分別をせずに積み上げてしまうとその後の処分に時間がかかり、悪臭や害虫の原因となることも。

この記事では、災害ごみを捨てるときに私たちが気をつけるべきことを、わかりやすく解説します。

災害ごみの種類

災害ごみの種類は、処理を行う自治体の分け方にもよりますが、主に

・ 片付けごみ
・ がれき類

に大別されます。災害ごみは、普段の生活から出る「生活ごみ」とは分けて捨てることが大切です。

片付けごみ

主に、壊れた家具、家電、食器、生活雑貨、浸水した畳、敷物、布団、本など。

災害の規模によっては、地域の公園などが片付けごみの一時的な「仮置き場」となる場合があります。災害発生後に、暮らしている自治体からのお知らせなどを確認してから持ち込みましょう。その後の処理がしやすくなるよう、分別して捨てることが大切です。

がれき類

主に、壊れた家から出る木くず、金属類、コンクリートブロック、瓦など。

ただし、倒壊した家の解体は、厳密には「個人の財産の処分」となるため注意が必要です。家の解体費用は原則として所有者の負担ですが、罹災証明で「全壊」と判定され、所有者の申請がある場合には、災害ごみとして自治体が解体、撤去することもあります。

過去の大規模な災害では「半壊」および「大規模半壊」に認定された家屋の解体費用を自治体が負担したケースがあります。

能登半島地震では、相続した家の名義変更を行っていなかったために、所有者が複数人いて全員から同意が取れず、公費解体が進められない事態が相次ぎ、問題となりました。

生活ごみ

主に、生ごみ、し尿など。

腐敗しやすい生ごみは、悪臭や害虫の原因になるため、片付けごみと分けて回収されます。携帯トイレのし尿も生活ごみです。飛び散りを防ぐために凝固剤や吸収ポリマーを使用して、二重に袋に入れて空気を抜き、口をしっかり閉じて捨てるようにしましょう。

危険物・有害物

主に、ガスボンベ、スプレー缶、電池、バッテリー、蛍光灯、灯油、化学薬品、農薬など。

火災の原因となるごみや有害な化学物質を含むごみは、必ず片付けごみや生活ごみと分けて捨ててください。

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土・汚泥はごみとして捨てられない

土や石は自然物のため、基本的にはごみとして捨てることができません。

浸水時には下水が逆流することもあり、汚泥は不衛生です。袋に詰めて放置すると、有害なガスが発生する危険もあります。

災害時には自治体が回収し、処理を行った上で再利用される場合もあります。自治体の回収方法に従いましょう。

配信元: 防災ニッポン