長男と長女がまだ小さかったころ、わが家の育児は完全に私のワンオペ状態でした。子どもに関心を持とうとしない夫に愛想を尽かし、離婚の二文字が頭をよぎり始めたある日、とうとう激しい喧嘩に発展。車で家を飛び出した夫と、冷静さを取り戻した後に何度連絡を取ろうとしても、一向につながらず……。
スマホが引き金になった大喧嘩
子どもたちが幼かった当時、夫の仕事は不規則なシフト制だったこともあり、育児の負担はすべて私にのしかかっていました。さらに夫は、休みがあっても自分のためだけに時間を使ってしまい、子どもたちと関わろうとはしませんでした。
おのずと、実家に頼ることが多くなっていった私。夫の態度に離婚の文字が頭をよぎっていたある日のこと。家でもスマホばかり眺めている夫の様子がふと気になり、私は夫のスマホをこっそりのぞいてしまったのです。
私がスマホを勝手に見たことに夫が腹を立て、以前からため込んでいた思いもあったらしく、激しい喧嘩に発展。怒った夫は、そのまま車に乗って家を飛び出していきました。
少し冷静になった私は、「言い過ぎたかもしれない」と夫に連絡を入れました。ところが、何度電話してもつながりません。どうしていいかわからず、義実家へ帰っていないか義母に確認すると、「こっちには帰ってきていないわよ」と言われました。
義母の言葉で確信した、夫の居場所
翌日、私はいつものように子どもたちを学校や保育園へ送り出しました。私も仕事がありましたが、どうしても気になり、早めに家を出て義実家へ向かいました。
前日は「来ていない」と言っていた義母でしたが、私に放った「(夫と)入れ違いだったね?」という言葉で、「やっぱり帰ってきていたんだ」と確信。
必死に夫を捜していた私に対し、なぜ事実を伏せていたのだろう……。義母なりの考えがあったのかもしれませんが、その対応に何とも言えない疎外感と、モヤモヤとした気持ちが残りました。結局、夫は私が仕事で不在にしている間に、自宅へ帰っていたようです。
その夜、私たちは改めて話し合いをしました。今度は感情的にならず、これからは協力して子育てをしていくこと、そしてお互いを尊重し合うことを、冷静に、かつきちんと伝えたのです。
夫が家を出たことで、私自身もひとりで考える時間ができ、そのあとの話し合いがしっかりできたのだと思います。この出来事以来、ささいなことでも、お互いに気になったことを話し合えるようになりました。感情的にならず冷静に向き合うことを心がけたことで、一つずつ解決策を見つけられるようになったのです。
今では、夫は子育てにしっかり協力してくれる4児のパパになってくれました。
著者:松田みさと/40代女性・ライター。2004年生まれの長男、2007年生まれの長女、2015年生まれの次女、長男とは15歳差の2019年生まれの次男の2男2女の母。仕事をしながら子育てに奮闘中。現在はライターとして、自身の体験をもとに妊娠や出産、子育てに関する体験談を中心に執筆している。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年3月)

