ミレーナは避妊だけでなく、過多月経や生理痛の軽減にも効果があることをご存じですか? 特に子宮筋腫や子宮内膜症による症状改善に高い効果が期待され、これらの治療には保険適用も可能です。今回は、ミレーナのメリットや注意点について「泉医院」の泉先生に解説していただきました。
編集部
ミレーナは避妊以外に、どのような効果があるのですか?
泉先生
たとえば過多月経や生理痛がひどい方にも有効です。なぜなら、ミレーナは子宮内膜の増殖を抑えるからです。月経量が減るので月経が軽くなるというメリットがあります。
編集部
月経が楽になるのは女性にとってはうれしいですね。
泉先生
子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症で月経が重い方には特に高い症状改善効果を見込めます。また2014年より、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などによる過多月経や月経困難症の治療としてのミレーナが保険適用になりました。
編集部
そのほか、ミレーナはどのような人におすすめですか?
泉先生
たとえば避妊のためにピルが服用できない方にもおすすめです。一般に、40歳以上だったり、喫煙者だったり、血栓リスクが高かったりする人は避妊目的でピルを使用することができません。しかしミレーナは全身ではなく、子宮とその周辺のみ作用するため副作用が少なく、安心して使うことができるのもメリットといえるでしょう。
編集部
ミレーナにはどのような副作用があるのですか?
泉先生
月経出血日数の延長・月経周期の変化・卵巣のう胞・月経時期以外の出血・腹痛などがあります。また重大な副作用として、骨盤内炎症性疾患(PID)、子宮外妊娠、穿孔、卵巣のう胞破裂などがあります。そのためミレーナを使用している期間は定期的に検診を受ける必要があります。
編集部
出血などの副作用があるのですね。
泉先生
はい、粘膜下筋腫ができた場合、また子宮内への感染した場合には出血が続くことがあります。多くの場合3カ月程度、長く続く人で半年程度出血が続くことがありますが、人によっては1カ月くらいでおさまる人もいます。もし出血がどうしても気になるという方は、医師にご相談ください。

監修医師:
泉 康二(泉医院)
昭和52年3月日本大学医学部卒業。日本大学医学部付属病院(駿河台、板橋)、大宮赤十字病院(現・さいたま赤十字病院)、国立立川病院(現・国立病院機構災害医療センター)、日本大学産婦人科などを経て平成3年2月2日泉医院開設。
※この記事はメディカルドックにて【医師解説「子宮内避妊リング(ミレーナ)」は絶対避妊できる? 費用や副作用について】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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