紅茶みたいに軽やかで、ちゃんと深い
井筒さんの淹れるコーヒーは、苦味を極限までそぎ落とした浅煎り。豆を粗く挽き、丁寧にゆっくりと抽出するその一杯は、口に含むとふわっと甘みが立ち上がる。軽やかなのに、どこか輪郭がしっかりしていて、静かに余韻を残す。
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「紅茶みたいですね」と言われることも多い。けれど、それは決して“薄い”という意味じゃない。軽やかでいて、ちゃんと奥行きがある。静かだけど、深く響く。

そしてこの店には、スイーツがない。「一杯に集中してほしいから」と、井筒さんは笑う。その潔さが、この場所をまた一つ、特別にしている。
苦手の先にあった、もうひとつの看板

もう一つの人気メニューが、オーツラテ。豆乳の独特のクセが苦手だったという井筒さん自身が、「これなら」と思えるものを探し抜いた。
結果たどり着いたオーツミルクは、香りも味も驚くほどまろやかで、やさしい。コーヒーが苦手な人も、豆乳が苦手な人も、ふと「おいしい」と思えてしまう一杯。ひとの苦手に寄り添える味、というのは、案外強いものなのかもしれない。
