枡田絵理奈が語る「知り合いのいない街で、母になった私へ」

枡田絵理奈が語る「知り合いのいない街で、母になった私へ」

家族のピンチで感じた子どもたちの成長

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――育児も仕事もしていて多忙だと思いますが、生活リズムを整える上で心がけていることはありますか?

できるだけ夜8時半には子どもたちを寝かせるようにしています。睡眠は子どもたちの成長にとって大切だし、私も子どもが寝たあとの時間で家事ができるので。逆に子どもたちが起きている間は、洗い物や洗濯を後回しにしてでも、子どもたちとじっくり向き合うようにしています。

――夕飯の支度はお子さんが起きている間しかできませんが、枡田さんがキッチンに立っていると、お子さんたちが遊びたがることはありませんか?

夕飯を作らなきゃいけない時間に「ママ遊ぼう」って言われたら、キッチンに来てもらって、一緒に料理をしながらその日の話をします。うちは、長男が2歳のときから一緒にキッチンに立っているんです。長男はもう自分でお弁当を作れるようになりました。子どもたちが将来、ママのことを思い出すとしたら、キッチンで過ごした思い出がいちばん多いかもしれません。

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――日々の中で、「育児っておもしろいな」「子どもってすごいな」と感じたエピソードはありますか?

普段は、私が仕事で不在の時には両親が広島に手伝いに来てくれているんですが、今年、父が体調を崩してしまった時があって、母もその看病があり、2人とも広島に来られなくなってしまったんです。私はその期間、両親が来てくれるつもりで、仕事を詰め込んでしまっていたので、オフだった夫がワンオペ体制に…。その時、末っ子が夫に、「パパ、お茶はね、飲んだら作らないとないんだよ」って言ったんです。そして、「水出しだとなかなか出ないし、お湯だと冷めるまで時間がかかるから、ママやじいじはちょっとだけお湯を入れてから、水を入れてるよ。私はケトルを触ったら危ないって言われてるからパパがやってね」って。夫は末っ子の指示でお茶を作ったそうです。

――末っ子さん、しっかりしてますね!

そうなんです。あと、乾燥機のフィルターの掃除をうっかり忘れていて、あっと思って取り出したら、ピカピカになっていたことがあったんです。「何日も使ってたのに不思議だな」と思っていたら、次の日の朝、末っ子が乾燥機のフィルターを掃除しているのを見かけて…。こっそり家事を手伝ってくれる小さな妖精みたいでした(笑)。

――末っ子さんも家事の戦力になっているんですね。

末っ子はみんなから「バブちゃん」と呼ばれてかわいがられているんですけど、いつの間にか成長していたんですね。私が忙しければ、長男も卵焼きを焼いて「お弁当に使って」と言ってくれたり、長女も食べたあとの食器を洗ってくれたりするようになりました。以前は私が一人で完璧にやらなきゃと思っていたんですけど、今は私が完璧じゃなくても、「堂林家」というチームみんなで助け合っています。

完璧主義を手放し、鎧を脱ぎ捨てた今

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――育児には「こうすべき」という思い込みやさまざまな世間の意見があり、悩む方も多いと思います。枡田さんはどんなことで悩んできましたか?

広島に来たばかりの頃は、人の目がとても気になっていました。子育てに四苦八苦する自分を、まだ受け入れられていなかったのだと思います。どこかで、「何事にも動じない私」を演じていたかった。だからこそ、人目にまつわることで悩むことが多かったのかもしれません。

――その悩みは、どのようにして解決したのでしょうか?

長男が幼稚園に入園してからもしばらくは人目を気にしていました。でも、何ヶ月か経ってママ友たちとの関係が深まるにつれて、どんどん仮面がはがれていって(笑)。みんな、私が焦ったりものすごい剣幕で長男を叱ったりしているのを見て、「絵理奈ちゃんも人間なんだね、そっちのほうが好きだよ」って言ってくれました。それを聞いて、「ありのままの私でもいいんだ」と思えるようになったんです。

――完璧主義を手放せたんですね。

それですごく楽になったし、育児の相談もしやすくなりました。子どもの成長の過程で、どうしても反抗的になる時期があるんですね。そんなとき、以前の私だったら「育て方に問題があると思われたら嫌だな」と考えて誰にも相談できなかったと思うんですけど、今は相談できます。そしたら「うちもだよ」とか「うちも去年そうだったよ」と言ってもらえて、うちだけじゃないんだと安心しました。

――他の人の意見を参考にできると心強いですね。

本当に。幼稚園の送り迎えも、長男が入園したばかりの頃は、きれいなワンピースとかを着てお化粧して行っていたんです。だけど今は、パジャマの上にロングコートを着てる日もあります(笑)。

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――母になったばかりの頃の自分へ、伝えたいメッセージはありますか?

「人からよく見られようとしなくてもいい。あなたが思う以上に、ありのままのあなたを受け入れてくれる人はいるよ」と伝えたいです。完璧じゃなくてもいい。自分のかっこ悪いところを人に見せたほうが、周りの人も助けてくれるし、自分も楽に育児ができると思います。そして、こどもたちも、ママが完璧じゃないくらいの方が、頼もしく育ってくれる!

――今後、家族との時間をどんなふうに楽しみたいですか?

今は両家の両親も元気だし、子どもたちも家族といるのが楽しい時期なので、きっと後から振り返ったとき、今がいちばん幸せなのかもしれません。毎日三人から同時に話しかけられて、「ママは聖徳太子じゃありません!」って言ってるけど、それってきっと今限定のことですよね。目の前のことを1秒たりとも見逃さず、今しかないこのときを全力で楽しみたいです。

――子育て中の方に向けて、メッセージをお願いします。

ご両親が遠方で頼れなかったり、馴染みのない土地で子育てをしていたりする方もたくさんいると思います。だけど、自分から心を開いて一歩を踏み出したら、意外と助けてくれる人はたくさんいます。だから一人で抱え込まずに、周りの人を頼ってほしいなと思います。

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配信元: アイスム

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