おうちに子犬を迎えることが決まったら…子犬の体に起こっていること

現在、日本では動物愛護法で8週齢以降の約生後2か月からペットショップなどの販売が可能になるとされています。
生後2か月というと、まだまだ生まれたばかりで成犬とは異なる部分がたくさんあります。
子犬ちゃんの体にはどのようなことが起こっているのでしょうか。
体のつくりは未発達
生まれたばかりの子犬ちゃんは、母犬のおなかから出て自力で生活できるよう、徐々に体のつくりも発達していきます。
生まれたばかりのころは四肢の筋肉の発達も不充分で、這うように動いていたのが、生後数週間でつたないながらも歩けるようになり、走ったりジャンプをしたりすることもできるようになります。
四肢の筋肉や体幹の筋肉、関節は動くためのものだけではなく、一定の姿勢をとり続けたり、静止する際にも機能します。
成長とともに筋肉や関節も発達し、より安定した動きをすることが可能になる傾向があるため、若齢でお迎えした子犬ちゃんの筋肉や関節などの体のつくりはまだまだ未発達と言えるでしょう。
消化機能など体の機能は大人のものと比較して未熟
まず、母犬のおなかから出て、母乳から栄養を摂取していた子犬ちゃんたちは、消化吸収機能の成長とともに、大人のわんちゃんたちと同様にごはんから栄養を摂取できるよう、離乳食を経て徐々に切り替えられていきます。
しかし、消化機能や吸収機能は大人のわんちゃんたちと比較しても未発達であるため、消化の良いごはんであることや、効率よく栄養が吸収できるような高栄養のものを選択することで機能を補います。
代謝なども未発達であるため、効率よく熱産生をするなど体内の器官の機能は大人よりも劣っている可能性が高いです。
母犬からの免疫機能の消失と自身の免疫システムの構築
私たちが暮らす生活環境で、自己以外の物質との接触は避けられず、病原となり得るものとの接触は避けることはできません。
自身の体を守るために免疫機構の発達は必要不可欠です。
わんちゃんたちは、胎盤を通じて母犬から免疫を譲り受け、産後も母乳を通じて免疫を譲り受けます。
譲り受けた免疫機能は永遠に保持されるわけではありません。
徐々に焼失しますが、ワクチン接種や病原体と接触することで、自身の免疫機構も発達します。
成犬と比較すると、免疫機能は低下しているため感染しやすい傾向があるため、注意は必要です。
起こりやすいトラブル

冬は気温も下がるため、体力の低下や免疫力の低下が起こりやすい季節です。
子犬ちゃんたちはさらに体力も免疫力も未発達であるため、感染症や体調不良は起こしやすい傾向があります。
ケンネルコフ
子犬ちゃんの時期に起こりやすいトラブルの中でもよく見られるものです。
細菌やウイルスが関連する感染症で、名前の通り子犬ちゃんたちが多く集まる場所に広がりやすい病気です。
予防接種の中に含まれる病気であるため、月齢やワクチンの接種歴とともに見られにくくなる病気でもあります。
子犬ちゃんの場合、免疫力もまだ未発達で、体力も消耗しやすい冬などの季節は悪化しやすい傾向があるため注意が必要です。
下痢や嘔吐などの消化器トラブル
人間は疲れると風邪をひいたり、体調を崩したりすることがありますが、わんちゃんの場合、疲れたり体に負担がかかった時に見られやすい変化が、下痢や嘔吐などの消化器症状です。
寒さや寒暖差などで体に負担がかかることや、新しいおうちに来たことで環境変化によって体に負担がかかってしまい、消化器症状につながることがあります。
下痢や嘔吐が軽度であれば死に至る可能性は低いですが、長期にわたる消化器症状や重度の症状は栄養不良や体力消耗につながり、致命的なトラブルにつながる危険性があるため注意が必要です。
低血糖
わんちゃんたちが生活するための代謝には糖と呼ばれるエネルギー源が必要不可欠です。
ごはんから摂取をして、糖として血液中に含ませて各器官へ送ります。
成長や日々の代謝などで血糖は消費されますが、食欲不振などで充分な摂取ができないことや体力の回復や成長、自己治癒などでエネルギー消費が多くなると消費と摂取のバランスの不均衡が起こり、低血糖と呼ばれるエネルギー不足の状態に陥ります。
低血糖になると、軽度であれば、元気消失や食欲不振などの変化が見られ、重度になると神経症状や意識消失など致命的になる場合もあるため注意が必要です。

