眉毛の外側を打った後の視力低下は要注意! 「外傷性視神経症」の特徴を解説

眉毛の外側を打った後の視力低下は要注意! 「外傷性視神経症」の特徴を解説

外傷性視神経症の治療

外傷性視神経症の治療では、薬物療法や手術を行います。
治療は、あくまで出血や浮腫による視神経への圧迫を軽減するものであり、視神経の損傷そのものを改善することはできません。

薬物療法

薬物療法では、ステロイドの大量投与を3日程度行うことが一般的です。また視神経管内の浮腫に対して、眼圧降下剤を投与することもあります。受傷後の早期の薬物療法で改善がみられない場合は、手術が検討されます。ただし受傷後、すでに光を感知できない場合は、視力の改善が見込めないため、手術の適応になりません。

手術(視神経開放術)

視神経開放術は、視神経管を開いて一部の骨を除去し、視神経に対する圧迫を解除する手術です。外傷性視神経症に対する手術は、受傷後できれば1週間以内、遅くとも3週間内に行うことが推奨されています。これは受傷後2週間程経過すると、視神経の萎縮がみられ、受傷後1か月程では、視神経の損傷が元に戻らないためです。

手術のアプローチ法には、開頭して頭蓋骨からアプローチする方法と鼻からアプローチする方法があります。頭蓋骨からのアプローチは、眼の減圧を行いやすいですが、体への負担が大きく、脳の損傷リスクをともないます。鼻からのアプローチは、体への負担は小さいものの、眼の減圧を十分に行うことはできません。

外傷性視神経症の予後について

外傷性視神経症に対する薬物療法と手術では、視力の改善率に大きな差はありません。具体的な視力の改善率は、薬物療法が40~70%、手術が40~90%というデータがあります。
手術は合併症リスクがあることから、実施には賛否両論があります。一方で、受傷後に適切な治療を受けなければ、視力の改善率は20~30%と報告されてます。

外傷性視神経症は、受傷後早期に治療を受けることが重要です。治療を受けるのが遅れると、視神経管内の循環障害が悪化し、視力低下につながります。

外傷性視神経症そのものは、命に関わる病気ではありません。しかし、眼が持つ「見る機能」は日常生活を送るうえで欠かせないものです。QOL(生活の質)を維持するためにも、外傷性視神経症が疑われるときは、早めに医療機関を受診しましょう。早期に診断を受けて治療を開始することで、視力低下を抑えることが期待できます。

外傷性視神経症になりやすい人・予防の方法

外傷性視神経症の発症例で多いのが、20~40代の男性です。若年から中年でアクティブな男性は、額(眉毛の外側部分)に衝撃を受けるリスクがあり、外傷性視神経症の発症率も高くなります。

とくに転倒や交通事故、落下事故は、外傷性視神経症の直接のきっかけとなるものです。転倒と交通事故では、受傷時の衝撃の強さが大きく異なります。しかし、眉毛の外側部分に衝撃を受ければ、その強さに関わらず外傷性視神経症になる可能性があります。

そのため、眉毛の外側部分から衝撃を避けることは、外傷性視神経症の予防に役立ちます。転倒に関しては、自転車に乗る際はヘルメットをかぶり、飲酒後に転ばないように注意しましょう。また交通事故を防ぐために安全運転を心がけ、現場作業を行うときは安全管理に気を配ることが大切です。


関連する病気

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頭部外傷

外傷性くも膜炎

参考文献

公式財団法人 日本眼科学会視神経症(視神経炎)

外傷性視神経症の治療

外傷性視神経症の検討

配信元: Medical DOC

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