逆さまつげは遺伝的な要因や、日常生活における目への刺激が原因で引き起こされる目の病気です。まぶたの筋肉の働きや物理的な皮膚の量、まつげの生え方などを判断基準に大きく3つの病名が設定されています。
しかし逆さまつげは日常的にも耳にすることが多く、手術が必要な症状であっても軽視されがちなことが多いです。
そこでこの記事では逆さまつげの手術の方法や、長期間放置しておくことのリスク面、日常からできる対策などについて取り上げていきます。
※この記事はメディカルドックにて『「逆さまつげ」の手術が必要な場合の判断基準はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
逆さまつげの症状と原因

逆さまつげとはどんな病気ですか?
逆さまつげとは、まぶたが眼の内側に折り畳まれることにより、皮膚やまつ毛が眼球を痛めてしまう病気です。正式名称はまぶたが内側に入り込むことを意味する「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」や、まつげの生える向きが乱れる「睫毛乱生(しょうもうらんせい)」と呼ばれます。またまぶたの皮膚が厚いことによって引き起こされる「睫毛内反(しょうもうないはん)」は、手術で余分な皮膚を摘出しなければならないほど厄介な症状です。角膜を傷つけたまま長期間放置しておくと視力低下に陥ることもあるので、痛みを伴った際には早急に対処することをおすすめしています。
逆さまつげはどんな症状がみられますか?
まつげが角膜を刺激すると、眼の赤みや異物が混入したような違和感を伴います。このような症状のみで留まっている段階では軽度ですが、強い痛みを感じたり眼から粘膜のようなものが分泌されると早急な処置を施さなければなりません。また最悪の場合には目の傷から細菌が入り、感染症を併発してしまうこともあります。これが目がかゆいときに擦ってはいけない一番の理由です。角膜が損傷してしまうと回復が難しいので、視力を喪失するなどその後の人生を左右しかねない問題に発展することもあります。
逆さまつげになる原因を教えてください。
具体的な原因としては以下の観点が考えられます。遺伝的な体質でまぶたが厚くなっている
老化により目元の筋力低下し、まぶたの内反が起こってしまう
まつげの生え方が均等ではないため、まばたきをすると目を傷める
また以前に目の手術を受けていると逆さまつげを発症しやすくなることが知られているため、過去に目の病気を経験した方は特に注意が必要です。
逆さまつげは遺伝するのでしょうか?
先天的にまぶたの皮膚量が多い場合は遺伝と考えることが妥当です。しかし怪我や一時的な炎症、加齢によって筋肉量が低下することで発症する場合もあるので、一概に全てが遺伝で決まるとはいえません。あくまで自身のまぶたの皮膚量が多いことによる逆さまつげだと、子供にも引き継がれてしまう可能性が高くなる病気という認識で捉えましょう。
編集部まとめ

視力は一度失ってしまうと後戻りできなくなってしまうので、特に慎重に扱うべき器官です。
逆さまつげはよく耳にする病名なので軽視しがちですが、放置したり自己解決したりするのは非常に危険を伴います。
特に子供は症状を自覚しにくいため、少しでも目を気にしている素振りを見せたら早めの診察を受けてください。今回の内容を参考にして、正しい目のケアを行っていきましょう。
参考文献
逆さまつげの症状と治療法!(視力ケアセンター)

