袋耳の前兆や初期症状について
袋耳では、生まれた時から耳の上部が頭部の側面に埋もれている状態が観察できます。指でつまんで引っ張り上げることはできますが、手を離すとすぐに元の状態に戻るのが特徴です。
また、痛みなどの自覚症状はないため、子どもが不快感を示すことはありません。聴力にも影響はないため、治療しなくても聴覚や言葉の発達は正常に進みます。ただし、先述したとおり、日常生活や心理面への影響が考えられるため、治療が推奨されます。
袋耳の検査・診断
視診で両耳を比較し、特徴的な症状を確認することで診断が可能です。
袋耳であることが判明した後は、変形の程度や特徴を確認するとともに、指で耳を引っ張り上げた時の戻り方を確認し、重症度の判断に役立てます。
袋耳の重症度は「耳を引っ張り上げるとしばらく元に戻らないもの(I型)」「すぐに元に戻るが軟骨の変形が軽度なもの(II型)」「すぐに元に戻り軟骨の変形が高度なもの(III型)」の3つに分類されることがあります。重症度の把握は治療方針の決定に役立ちます。(出典:J-Stage「外耳形成外科の臨床-軽度の耳介奇形について-」)
また、まれに小耳症など他の耳介変形を引き起こす病気を併発するケースがあるため、検査時には併発の有無も確認します。

