涙腺腫瘍の前兆や初期症状について
涙腺腫瘍では、腫瘍の種類や大きさによってさまざまな症状があらわれます。初期の段階では自覚症状がほとんどないことも多いです。
良性腫瘍はIgG4関連疾患や多形腺腫、悪性疾患はリンパ腫、腺様嚢胞がんに代表され、一般的に、良性腫瘍の場合はゆっくりと進行し、急激な症状の変化は少ないとされています。一方、悪性腫瘍の場合は比較的短期間で症状が進行するケースがあります。
また、多形腺腫や腺様嚢胞がんなどは、ほとんどの場合片側だけに発生しますが、両側の涙腺に腫瘍が見られる場合は、全身性の病気である悪性リンパ腫やIgG4関連疾患の可能性が考えられます。
眼球の位置の変化
腫瘍によって眼球が押されることで、目が前に飛び出す「眼球突出」や、位置がずれる「眼球偏位」が起こることがあります。
視覚の異常
眼球の動きが妨げられることで、物が二重に見える「複視」が生じることがあります。ただし、視力自体は腫瘍が大きくなっても比較的保たれることが多いのが特徴です。そのため、腫瘍が大きくなるまで異変に気付かないこともあります。
しこり
涙腺腫瘍は眼窩の中でも比較的表面に近い位置にあるため、しこりとして触れられる場合があります。
涙腺腫瘍の検査・診断
涙腺腫瘍の診断では、いくつかの検査を組み合わせて総合的に判断されます。腫瘍の種類や進行度によって最適な治療方法が異なるため、正確な鑑別と診断が必要とされます。
画像検査
CTやMRI検査は重要な検査となります。MRI検査では腫瘍の性質を調べ、造影剤を使うことで腫瘍の血流の状態も確認できます。CT検査では、悪性腫瘍で起こりやすい骨の破壊の有無を調べることができます。
また、悪性度の高い腫瘍が疑われる場合には、PET-CTという検査で他の部分への転移がないかを調べることもあります。
眼科検査
視力や眼圧を測定するほか、眼球の突出の程度を測る検査や、目の位置のずれを測る検査を行います。また、目の動きに問題がないかを確認する検査も併せて行います。
血液検査
リンパ腫が疑われる場合は、血液中の特殊な物質(可溶性インターロイキン2受容体)を調べます。また、IgG4関連疾患が疑われる場合は、血液中のIgG4という物質の量を測定します。
組織検査
腫瘍の種類を確実に診断するために、腫瘍の一部を採取して顕微鏡で調べる検査を行うことがあります。リンパ腫が疑われる場合は、より詳しい特殊な検査も追加で行います。

