中耳腫瘍の前兆や初期症状について
中耳腫瘍の症状は、腫瘍の大きさや場所によってさまざまです。聴覚に関連した症状が多く見られますが、進行すると他の症状もあらわれることがあります。
聴覚の低下と違和感
最も多く見られる症状は聞こえ方の変化です。腫瘍が中耳内で大きくなると、音を伝える耳小骨の動きが妨げられ、徐々に難聴が進行します。初期段階では「耳が詰まった感じ」「音が遠くなった」といった症状で始まり、耳鳴りを伴うこともあります。こうした症状は、片側の耳にあらわれることが多いのが特徴です。
中耳炎の症状
腫瘍に中耳炎が合併すると、耳痛や「耳だれ」がみられることがあります。耳だれは、通常の中耳炎と同じように粘液性や膿性のものなど、性質はさまざまです。ただし、炎症の程度と腫瘍の進行には大きな関係はないとされています。
めまい
腫瘍が大きくなり、内耳まで広がるとめまいが生じることがあります。ただし、これは比較的まれな症状です。
顔面神経麻痺
進行すると、中耳を通る顔面神経に影響がおよぶことがあります。悪性度の高い腫瘍では、周囲の骨を破壊しながら大きくなるため、良性の腫瘍よりも顔面神経麻痺を生じやすくなります。
中耳腫瘍の検査・診断
中耳腫瘍は、慢性中耳炎や真珠腫など、似たような症状を示す病気が多くあります。そのため、正確な診断のためにいくつかの検査を行い、総合的に判断します。
耳の診察
耳鼻咽喉科医が特殊な機器(耳鏡やファイバースコープ)を使って耳の中を観察します。鼓膜の奥に灰色または白っぽい腫瘍が確認できます。検査時の痛みはほとんどなく、モニターで患者さんと一緒に耳の中の様子を確認できます。しかし、腫瘍の状態を詳しく把握することはできないため、必要な場合は画像検査の実施が必要です。
画像検査
CTやMRIで腫瘍の大きさや広がり、性質を詳しく調べます。腫瘍の周囲にある骨や軟部組織、血管・神経との位置関係を把握することができます。
生検
必要に応じて、腫瘍の一部を採取して顕微鏡で調べることがあります。腫瘍の種類や性質を調べられ、治療方法の選択に役立ちます。良性か悪性かの判断や、他の病気との鑑別でも重要な検査です。
聴力検査
聴力検査では、「純音聴力検査」による、さまざまな高さの音をどの程度聞き取れるかの確認や、ティンパノメトリーによる音の伝わり方の検査を行います。聴力検査は、治療後の聴力改善の効果測定にも役立ちます。

