症状がなくても危険? 「脳ドック」でわかる“将来の認知症リスク”を医師が解説

症状がなくても危険? 「脳ドック」でわかる“将来の認知症リスク”を医師が解説

認知症は早期に発見できれば、進行を抑えたり予防につなげたりすることも可能です。脳ドックでは、MRIによる脳萎縮の確認や認知機能検査、採血検査などを通して、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症のリスクを早期に把握できるようになっています。脳ドックが認知症の早期発見や予防にどのように役立つのか、北村先生に解説していただきました。

北村 高之

監修医師:
北村 高之(北村脳神経クリニック)

順天堂大学医学部卒業。その後、順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経外科入局、同大学の附属および関連病院にて経験を積む。2024年5月、神奈川県横浜市に「北村脳神経クリニック」を開院。医学博士。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医・指導医、日本脳神経血管内治療学会専門医、日本頭痛学会専門医、日本神経内視鏡学会技術認定医。

編集部

認知症の早期発見もできるのですか?

北村先生

はい。こちらも検査項目の種類によるのですが、脳ドックによって認知症の発見や予防につなげることも可能です。

編集部

もう少し詳しく教えてください。

北村先生

認知症の原因で最も多いのは「アルツハイマー型認知症」ですが、これは脳が萎縮してしまうという特徴があります。脳ドックでは、MRIで脳萎縮の有無を確認し、認知機能検査や採血検査をおこなうことで、アルツハイマー型認知症発症のリスクや認知症の前段階である軽度認知障害の早期発見が期待できます。脳萎縮の程度に関しても、VSRAD(ブイエスラド)というプログラムを用いた解析や、近年ではAI画像解析を用いて記憶を司る海馬の体積を測定し、認知症を含めた将来の脳の老化を防ぐための指標、アドバイスを提供することができるようになってきています。

編集部

脳ドックは認知症の早期発見にも有用なのですね。

北村先生

アルツハイマー型認知症だけではありません。アルツハイマー型認知症の次に多い「脳血管性認知症」の予防にも役立ちます。脳血管性認知症は脳血管障害に伴って発症することが非常に多いので、脳血管障害を予防することが、脳血管性認知症の予防につながるのです。脳ドックを受けてご自身の危険因子を知り、早期に適切に対応することで、脳血管性認知症の発症を防ぐことにもなります。

※この記事はメディカルドックにて【「脳ドック」にかかる費用はご存じですか? 受けた方がいい人の特徴も医師が解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

配信元: Medical DOC

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